有機資源化学   Organic Resources Chemistry

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担当教員
波岡 知昭 
使用教室
火1-2(G512)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
98058
シラバス更新日
2009年4月14日
講義資料更新日
2008年10月1日
学期
後期

講義概要

エネルギー資源のうち、特に固体状資源のクリーンで高効率な精製・転換・利用プロセスについて解説を行なう。講義の前半は石炭の高度利用技術(Clean Coal Technology,CCT)に関して、最新の研究開発動向を含め解説を行なう。後半には石炭との化学構造や性質の違いから異なる進化を遂げている廃棄物発電やバイオマス利用技術に関して、最新の研究開発動向を含め解説を行なう。評価は出席点と3回のレポートにより行なう。

講義の目的

石炭を中心に、固体燃料のクリーンかつ高効率利用技術に関する講義を行なう。現代社会は身近に石炭に接する機会がなく、さらに2000年初頭に国内炭鉱が相次いで閉山したことなどから、石炭は過去のエネルギー資源とのイメージがある。さらに、地球温暖化問題から発電電力量あたりのCO2排出量の高い石炭は、他の化石資源に比べ劣勢な状況になる。しかしながら、石炭は石油につぐ日本の一次エネルギー供給の約3割を担う基幹エネルギー資源であり、石炭に比べ可採年数の短い天然ガスや石油資源に代替することは問題を先送りにしているに過ぎない。埋蔵量が多く、安価で、採掘場所が比較的政情の安定している国から採掘されるなどのメリットもある。石炭からクリーンで高効率にエネルギーを抽出するための様々な最新技術開発に関する知識を身につけていただき、石炭利用に対して正しい理解をしていただくことを目的としている。更に、石炭の高効率利用技術の応用として発展している廃棄物発電や、バイオマス利活用技術に関する解説も行う。

講義計画

受講者の希望により講義内容を変更する場合がある。フィールドワーク日程は受講者の希望により決定。受講者の人数により、フィールドワークをおこなわない場合がある。

1回目 世界及び日本のエネルギー需給動向、燃料化学概論
2回目 石炭科学とCCT(クリーン・コール・テクノロジー)
3回目 石炭のクリーン燃焼技術
4回目 石炭の前処理と後処理
5回目 コークス製造と石炭化学工業
6回目 石炭液化技術
7回目 石炭ガス化技術(1)
8回目 石炭ガス化技術(2)
9回目 CCTにかかわるその他の技術(石炭地下ガス化、CO2回収、貯留技術等)
10回目廃棄物発電とサーマルリサイクル
11回目バイオマス利用技術(1)
12回目バイオマス利用技術(2)
13回目 フィールドワーク もしくは外部講師による講演会
14回目 関連分野における最新研究動向 本講義の復習・まとめ・テスト

教科書・参考書等

参考書
有機資源化学-石炭・石油・天然ガス- (三共出版)
クリーン・コール・テクノロジー (工業調査会)
太陽の恵みバイオマス-CO2を出さないこれからのエネルギー (コロナ社)

関連科目・履修の条件等

前期に開講される「エネルギー化学環境学特論;エネルギー最前線」
を受講していることが望ましいが必須ではない。
出身学科等は問わない。

成績評価

授業内容に関連するレポート課題を複数回(計2回を予定)出題する。出席及び提出されたレポートに基づいて成績を評価する。レポートの提出先は学内便にて「S2-18」に送付するか、指定の講義日に教員に直接提出すること
成績はレポート評点60%と出席点40%を加算して評価する。

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