機器分析の基礎となる物理化学の諸問題について講義する。前半では,分子の対称性や群の表現など,群論の基本について講義を行う。後半では群論を分子スペクトルに応用し,X線構造解析やIRスペクトルなど分光学的分析方法の解釈について講義を行う。
機器分析の基礎となる物理化学の諸問題について講義する。前半では,分子の対称性や群の表現など,
群論の基本について講義を行う。後半では群論を分子スペクトルに応用し,X線構造解析やIR スペ
クトルなど分光学的分析方法の解釈について講義を行う。
1回目 分子の対称性 (対称要素、対称操作、分子の点群など)
2回目 群と表現(一) (対称操作と行列、群の定義など)
3回目 群と表現(二) (群と対称操作、群の表現など)
4回目 既約表現(一) (表現の簡約、既約表現とベクトル)
5回目 既約表現(二) (既約表現の性質、直交性)
6回目 指標 (指標による既約表現の決定、単純な分子への応用)
7回目 分子軌道への応用(一) (分子軌道法、直積)
8回目 分子軌道への応用(二) (単純な分子の分子軌道)
9回目 分子軌道への応用(三) (単純LCAO MO 法)
10回目 分子スペクトルへの応用(一) (分子スペクトル)
11回目 分子スペクトルへの応用(二) (電子スペクトルと選択則)
12回目 分子スペクトルへの応用(三) (分子の基準振動)
13回目 テスト(レポートの場合もあり)
授業内容については進み具合で多少の変更あり。また、各講義時に小テストなどで理解度の確認を行う。
1.大岩正芳 著「群論と分子」(化学同人)
2.中崎昌雄 著「分子の対称と群論」(東京化学同人)
(2007 年度は1 を使用したが、変更の可能性あり。)
特になし。
各講義への出席と小テスト(70%)、およびテスト(30%)で評価する。テストはレポート提出と
なる場合がある。
群論を理解することによってなぜ分子がその構造に特有の分子スペクトルを示すのかを理解する
ことができます。これは化合物の構造解析法として欠かすことのできない赤外分光法や電子スペク
トルの基礎として重要です。