固体物性III:誘電体物性   Solid State Physics III : Dielectric Properties

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担当教員
伊藤 満 
使用教室
金5-6(J233)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
96044
シラバス更新日
2011年9月20日
講義資料更新日
2011年9月20日
学期
後期

講義概要

かつての誘電体の物理は古典物理学で大部分理解できた。これは,誘電体の研究がほとんど相転移と関連付けて説明できるからである。相転移を担うのは原子,分子のそれまでの平衡位置からの変位であるから必然的に結晶構造の変化を伴う。この相転移の機構の基本的理解は古典物理的概念の延長として理解されている。一方,磁性体を中心とする現象の多くは電子系の量子統計的振る舞いとして電子論的に理解されている。本講義では,これらの状況を説明しつつ誘電体結晶の物質群での位置づけを理解し,さらに最新の量子論的な取り扱いまで説明を試みる。

講義の目的

誘電体、強誘電体に関する基礎について説明する。

講義計画

1) 対称操作 2) 誘電率テンソル 3) 局所電場 4) ランダウ理論 5) 格子波 6) 格子振動の非調和性 7) 電気分極 8) 複素誘電率 9) 物質の誘電性 10) 緩和型と共鳴型 11) LSTとの関係式 12) ソフトモード

教科書・参考書等

中村輝太郎 「強誘電体と相転移」 裳華房 1988、作道恒太郎 「固体物性(格子振動・誘電体)」 裳華房 1993、徳永正晴 「誘電体」 培風館 1991、高重正明 「物質構造と誘電体入門」 裳華房 2003、 N. S, Dalal編 「Ferro- and Antiferroelectricity」 Springer 2007

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

試験

担当教員の一言

高校で学ぶ誘電体が材料中で占める位置付けを理解し、将来誘電体分野で基礎研究あるいは応用研究上、問題に直面した場合の解決法について学ぶ。

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