固体の変形と力学   Deformation and Mechanics of Solids

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担当教員
加藤 雅治  尾中 晋 
使用教室
月1-2(J234)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
96036
シラバス更新日
2008年4月9日
講義資料更新日
2008年4月9日
学期
前期

講義概要

弾性論,熱力学,結晶学を融合させた議論を通じて,固体の変形や強度に対する基礎的理解を深める。
主に結晶性材料を対象とし,転位などの格子欠陥が材料の塑性変形,強化機構,破壊などの力学的性質
にどのような役割を果たすのかについて系統的に講述する。

講義の目的

固体の変形を定量的に扱うためは応力とひずみを理解することが必要になる.本講義の前半
部ではこれらの基礎を講述する.テキストと演習問題を配布して講義をすすめ,テンソル量と
しての応力とひずみを扱うための方法を解説する.(尾中)
 本講義の後半部では,線形弾性論,熱力学,結晶学等を融合させながら,結晶性材料の力学
的性質に対する転位を中心とする格子欠陥の役割を講述する.材料の変形や破壊の基礎的機構
とそれらの支配因子を系統的に解説する.(加藤)

講義計画

前半部 「応力とひずみの基礎」(尾中)

1) 最も単純な場合での応力とひずみ
2) 面力と応力の定義
3) 応力の性質
4) 応力成分の座標変換
5) 変形勾配とひずみ
6) 弾性係数とフック(Hooke)の法則
7) 弾性ひずみエネルギー
8) 前半部 「応力とひずみの基礎」についての試験

後半部 「結晶性材料の塑性変形」(加藤)
1) 格子欠陥と転位の概念
2) 変形におけるエネルギーと熱力学
3) 転位の弾性論
4) 転位に働く力
5) 転位の諸性質
6) 応力-ひずみ曲線
7) 強化機構
8) 後半部 「結晶性材料の塑性変形」についての試験

教科書・参考書等

担当教員が作成した詳細なテキストを配布するが,参考書として担当教員の
著書を挙げておく.
・加藤 雅治:入門転位論,裳華房,1999.
・加藤 雅治,熊井 真次,尾中 晋:材料強度学,朝倉書店,1999.

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

授業への出席,数回程度出題されるレポート課題への解答,そして前半部と後半部
それぞれについての試験の結果によって総合的な評価を行う.

担当教員の一言

力学的性質は物質・材料科学の大切な研究分野の1つですので,この分野を初めて学ぶ人にもわかりやすくて有益な授業を目指しています.質問,コメント等を歓迎します.

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