有機遷移金属錯体について、構造、安定性、基本的な配位子、酸化的付加・還元的脱離・挿入・ベータ脱離等の基本的反応とそれに及ぼす配位子の役割等について解説する。また、これらの錯体が重要な役割を果たしているクロスカップリング・酸化・還元、カルボニル化・重合等の有機合成反応や工業プロセスについて考察する。さらに、有機金属化合物そのものを液晶・導電材料・発光材料等の機能材料として用いようとする最近の研究の動向についても触れる。
有機遷移金属錯体について、構造、安定性、基本的な配位子、酸化的付加・還元的脱離・挿入・ベータ脱離等の基本的反応とそれに及ぼす配位子の役割等について解説する。また、これらの錯体が重要な役割を果たしているクロスカップリング・酸化・還元、カルボニル化・重合等の有機合成反応や工業プロセスについて考察する。さらに、有機金属化合物そのものを液晶・導電材料・発光材料等の機能材料として用いようとする最近の研究の動向についても触れる。
1. 序論:典型金属の有機金属化合物からの研究の歴史
2. 有機遷移金属錯体の基礎 (I): 配位子の多様性と供与電子数による分類
3. 有機遷移金属錯体の基礎 (II): 結合論・18電子則・価数・構造・錯体の安定性
4. 有機遷移金属錯体の基礎 (III): 配位子の電子的・立体的性質・トランス効果とトランス影響・金属への配位の配位子への効果
5. 有機遷移金属錯体の基本的反応 (I): 配位子交換・酸化的付加・還元的脱離
6. 有機遷移金属錯体の基本的反応 (II): 挿入・β-脱離
7. 有機遷移金属錯体の基本的反応 (III): 配位子への直接反応・σ-ボンドメタセシス
8. 有機合成への応用 (I): ハロゲン化物のクロスカップリング・アミノ化・ヘック反応等
9. 有機合成への応用 (II): 辻-Trost反応・カルボニル化反応・水素化反応・不斉水素化反応・ヒドロシリル化反応
10. 有機合成への応用 (III): 最近の動向(C-H・C-C結合活性化、無機金属化学等)
11. 工業プロセス(I): 水性ガスシフト反応・ヒドロホルミル化・酢酸合成
12. 工業プロセス(II): ヒドロシアノ化・酸化的カルボニル化・ワッカー法
13. 工業プロセス(III): メタセシス・アルフェンプロセス・ポリオレフィン合成
14. 構造材料・光電子材料としての利用
特になし。必要な資料は配布する。
特になし。
試験により成績を評価する