オフィス、駅、空港、商業施設、イベント会場等の都市施設や地域における通常時、緊急時の人間行動特性を
各種計測技術やシミュレーション技術により定量化、プログラム化を行い、安全性と効率性、省エネを促進する事業の概要について講義を行う。
1 先端的シミュレーション技術概要(講義)
交通シミュレーションと群集シミュレーションを例にとって、安全性・効率性・環境性に関する
シミュレーション事例や適用範囲(目的、課題)について説明する。
2 実社会でのプロジェクト遂行の理解(講義、講話)
様々な実施プロジェクトの紹介を通じて、関係機関の役割や事業目的にあった技術のあり方について理解を深める。
3 ビジネスプランのディスカッション(グループ討議)
シミュレーション技術を活用したビジネスプランを考えて、開発者・ユーザー等の立場からその有効性や課題について
ディスカッションを行い、基本的なプロジェクトの進め方について理解する。
各施設の人流特性に合致した施設や設備の処理能力・数の規模、避難誘導、省エネ等の最適化を図る技術としてのビデオ画像解析、
マルチエージェントシミュレータの他、行動パターン推計モデル等の実用例紹介とその仕組みについて理解する。
さらに、安全・環境というキーワードを取り巻くビジネスモデルについて各人の意見やアイデアを討議し、
実業における遂行プロセスを理解する。目的のポイントは以下の通りである。
・防災、環境事業分野における各種シミュレーション技術の現状と適用可能性把握
・受講者各人のアイデア創出、関係者への理解促進プロセスの経験、重要性把握
第1回(6月5日) 講義要旨説明
・本講義の目的、人間行動シミュレーション技術の実務での位置づけ、グループ発表の課題提示
(具体的指導技術:企業における技術の位置づけ、プロジェクト遂行要素、環境・防災の現状)
第2回(6月12日) 群集シミュレーション1(効率性)
・通常時の駅や空港を対象とした最適な施設配置計画、流動性の評価事例、仕組み
(具体的指導技術:入力データ入手法、精度別シミュレーションモデル、歩行挙動ルール)
第3回(6月19日) 群集シミュレーション2(安全性)
・火災や地震時の駅や高層ビル等を対象とした最適な避難シミュレーションの活用事例、仕組み
(具体的指導技術:入力データ入手法、精度別シミュレーションモデル、避難誘導挙動ルール)
第4回(6月26日) 課題中間報告、講話、ディスカッション
・先導的実プロ概要紹介とその位置づけ、業務遂行プロセス、役割分担、特徴についての理解
(具体的指導技術:特定機関の実業務理解、ディスカッション方法)
第5回(7月3日) 地域における安全検証
・広域エリアの群集処理の安全検証法
(具体的指導技術:都市再生安全確保計画)
第6回(7月10日) 交通シミュレーション
・道路交通流シミュレーションシステムの活用事例
(具体的指導技術:待ち行列や交差点飽和度等の評価指標)
第7回(7月17日) 省エネ支援シミュレーション
・建物を取り巻く環境政策、省エネ施策の概要、施設利用特性を考慮した省エネ管理システムの紹介
(具体的指導技術:改正省エネ法、環境確保条例、CASBEE、空調・照明・熱源別省エネ対策)
第8回(7月24日) グループ発表、ディスカッション、総括
・初回に提示したグループ課題を全員参加型でプレゼンテーション、討議
(具体的指導技術:プレゼン基本技術、チーム協業、評価ポイントの説明)
教官より提示(パワーポイント、配布資料を用意)
建築・土木など専門を問わず、人や車、情報の流れを対象とした技術・ビジネスに関心のある学生
1 課題提出と発表(グループ発表での分担役割レベル:協力度、論理性、説明能力、態度)
2 出席率(2回の遅刻で1回欠席扱いとします)
3 発言等の参加姿勢とその内容(1回の講義中に1度の発言を基準)
民間企業や役所で行われている防災・環境事業分野におけるシミュレーション技術の位置づけを理解してもらいたいと思います。
また、一企業(起業)人の立場からビジネスアイデアを題材に組織の中での役割、研究・事業の進め方、キャリアアップについてもアドバイスをしたいと思います。
メール suematsu@vri.co.jp
電話(ベクトル総研) 03-3409-1001