環境経済・政策特論   Frontier of Environmental Economics and Policy Studies

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担当教員
増井 利彦 
使用教室
水1-2(W931)  
単位数
講義:1  演習:1  実験:0
講義コード
68015
シラバス更新日
2014年9月18日
講義資料更新日
2015年1月7日
アクセス指標
学期
後期

講義概要

地球温暖化問題を対象に、そのメカニズムや様々な影響、影響を抑えるための適応策や温室効果ガス排出量を削減するための緩和策について、最新の知見を含めて説明するとともに、これまでのわが国における取り組みについて紹介する。また、応用一般均衡モデルを用いて、緩和策の導入による経済活動への影響の評価について、演習を通じて会得し、低炭素社会の実現に向けた取り組みについて議論するとともに、これからの温暖化対策について議論を行う。

講義の目的

地球温暖化問題を中心に、環境問題の科学からのアプローチと、問題解決に向けた政策からのアプローチのそれぞれにおける役割や関係を理解するとともに、科学が環境政策においてどのように貢献できるかについて理解を深めることが本講義の目的である。さらに、応用一般均衡モデルのプログラミング演習を通じて、各自が検討する環境政策の定量的な評価を行うとともに、それを実現するための手段について検討することも本講義の目的である。

講義計画

(1) 10月2日 本講義のガイダンス・気候変動問題と政策、科学
(2) 10月11日 気候変動影響と適応策
(3) 10月16日 低炭素社会に向けた取り組みと緩和策
(4) 10月23日 わが国おける緩和策検討のあゆみ
(5) 10月30日 【休講】
(6) 11月13日 応用一般均衡モデル(1):応用一般均衡モデルに必要なデータ
(7) 11月20日* 応用一般均衡モデル(2):生産者の行動と消費者の行動
(8) 11月27日 応用一般均衡モデル(3):応用一般均衡モデルの理論
(9) 12月4日* 応用一般均衡モデル(4):簡単な応用一般均衡モデルを用いたシミュレーション
(10) 12月11日* 応用一般均衡モデル(5):複雑な応用一般均衡モデルを用いたシミュレーション
(11) 12月18日* 応用一般均衡モデル(6):応用一般均衡モデルと気候変動緩和策
(12) 1月8日* 応用一般均衡モデル(7):応用一般均衡モデルの拡張
(13) 1月15日 モデルと政策
(14) 1月22日 課題発表会
(15) 1月29日 講義のまとめ

教科書・参考書等

毎回の講義で参考資料を提供する。

関連科目・履修の条件等

地球環境と経済発展のモデリング(大学院)・地球環境モデル論(学部3年生)・温暖化影響論(学部4年生)を履修していることが望ましい。

成績評価

課題発表と最終レポート、その他の中間段階でのレポート等で評価を行う。
課題発表:40点 最終レポート:40点 その他:20点   合計:100点

担当教員の一言

地球環境問題のような巨大な系に生ずる複雑な問題を分析するには、基本的なシミュレーション・モデルの理解が不可欠である。一方で、地球温暖化対策による経済影響の評価などに対する見方は必ずしも正確に伝えられてはいない。また、われわれ国民の行動が環境保全にどれくらい影響するかをわかりやすく説明することも求められている。科学が環境問題にどのように貢献することができるかを理解するとともに、応用一般均衡モデルを実際に動かすことによって、シミュレーション分析・方法の意義と限界を実感して欲しい。

連絡先(メール、電話番号)

masui@nies.go.jp

オフィスアワー

水曜日昼休み

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