法哲学   Philosophy of Law

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担当教員
高橋 文彦 
使用教室
金5-6(W932)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
68031
シラバス更新日
2013年4月4日
講義資料更新日
2013年3月21日
学期
前期

講義概要

一般に、法哲学という学問は、(1)法の一般理論、(2)法律学方法論、(3)法価値論(正義論)という三つの領域に分けられるが、本講義においては、このうちの(2)について(特に「法的思考の論理的特質」というテーマについて)受講生とともに論理学的な視角から考察することによって、法哲学における方法論的な議論の最前線を瞥見する。なお、毎回授業は演習形式で行い、受講生自身にテキストの該当部分について報告をしてもらってから、質疑および討論を行う予定である。

講義の目的

本講義においては、最初に法的思考の論理を一種の三段論法として捉える通説的な見解を学んでから、これとは異なった立場を採る見解を方法論的な視点から検討することによって、法的思考の論理的特質とは何かという問題について受講生とともに考察することを、講義の目的とする。

講義計画

【第1回】序論:法哲学の基本問題、受講生アンケート
【第2回】ものごとの善悪を考える(陶久・第1章)
【第3回】法的思考(陶久・第2章)
【第4回】判決文の批判的検討と外在的批判(陶久・第3章~第4章)
【第5回】法の支配と法的思考(高橋・第1章)
【第6回】法哲学からみた「法と対話」(高橋・第2章)
【第7回】匡正的正義と修復的司法 (高橋・第3章)
【第8回】法的三段論法の問題点 (高橋・第4章)
【第9回】法的思考の対話性と非単調性(高橋・第5章)
【第10回】要件事実論と〈法律要件⇒法律効果〉図式(高橋・第6章)
【第11回】三段論法を超える法的推論システム(高橋・第7章)
【第12回】法的思考の論理と〈スンマ/システム〉(高橋・第8章)
【第13回】関数表現としての法的ルール(高橋・第9章)
【第14回】法的議論における発見の論理・序説(高橋・第10章)
【第15回】講義のまとめ

教科書・参考書等

次の2冊を教科書(テキスト)として用いる。
(1)陶久利彦『法的思考のすすめ[第2版]』(法律文化社、2011年)
(2)高橋文彦『法的思考と論理』(成文堂、2013年)
なお、(2)は割引価格で頒布するので、まだ購入しないこと。

参考書としては、とりあえず次の2冊を挙げておく。
田中成明『法的思考とはどのようなものか』(有斐閣、1989年)
亀本洋『法的思考』(有斐閣、2006年)
他の参考書は講義中に指示する。

関連科目・履修の条件等

法律学や哲学の専門的知識をもっていることは前提としないが、法的思考というテーマに興味があることが履修の条件となる。

成績評価

平常点20%(担当箇所の報告の内容、毎回の予習の程度、議論への参加度、等)とレポート(小論文)80%による。

担当教員の一言

一方的な講義形式ではなく、参加型の演習形式で対話型の授業を行うので、そのつもりで受講してほしい。哲学的・論理学的な思考を好む受講生を歓迎する。

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