環境と経済の関係を表現するモデルの構造とその分析方法,モデル作成過程を説明するとともに,実際にモデルを用いて環境政策を評価することで,モデル分析の有用性と限界を理解する。また,モデル分析の最先端の状況や,モデルによる定量化と定性的なストーリーを組み合わせたシナリオ分析について説明する。
本講義の目的:環境問題を定量的に評価するための統合評価モデルを紹介する。統合評価モデルを構成するモデル群の特徴の説明を通じて、環境問題を定量的に評価するために必要なモデル設計、またモデル分析の有用性と限界を理解する。講義の後半では、各自がモデル分析に適した環境問題を設定し、その問題を評価するためのモデル設計に取り組む。
日程(出張等により休講となる場合がある)
(1) 4月10日 モデル概論
(2) 4月17日 AIM (Asia-Pacific Integrated Model)の紹介
(3) 4月24日 シナリオ紹介
(4) 5月1日 AIM/Enduseモデルの紹介
(5) 5月8日 AIM/CGEモデルの紹介
(6) 5月22日 AIM/ExSSモデルの紹介
(7) 5月29日 人口・世帯数推計モデル
(8) 6月12日 家計消費行動のモデル
(9) 6月19日 需要推計(1)
(10) 6月26日 需要推計(2)
(11) 7月3日 地球環境問題の問題設定とモデル作成に必要なデータの入手(1)
(12) 7月10日 地球環境問題の問題設定とモデル作成に必要なデータの入手(2)
(13) 7月17日 課題発表会(1)
(14) 7月24日 課題発表会(2)・講義のまとめ
6月5日は講師出張のため休講とする。
毎回の講義で最新の情報と参考資料を提供する。
課題発表会:講義で紹介したモデルを参考にしながら、各自がモデル分析に適した地球環境問題を設定し、その問題を評価するためのモデル設計を行い発表する。発表会での指摘事項を踏まえ、最終レポートを提出する。
関連講義:地球環境モデル論(学部3年生)
課題発表と最終レポート、その他の中間段階でのレポート等で評価を行う。
課題発表:50点 最終レポート:50点 合計:100点
地球環境問題のような巨大な系に生ずる複雑な問題を分析するには、基本的なシミュレーション・モデルの理解が不可欠である。一方で、温暖化対策による経済影響の評価などに対する見方は必ずしも正確ではない。また、われわれ一般国民の行動が環境保全にどれくらい影響するかをわかりやすく説明することも求められている。応用一般均衡モデルをはじめとする様々なツールの説明や演習を通じて、シミュレーション分析・方法の意義と限界を実感して欲しい。
質問等は金森まで。メールアドレスは、kanamori@nies.go.jp
水曜日昼休み
関連サイト
http://www.soc.titech.ac.jp/~morita/
http://www-iam.nies.go.jp/aim/