前半は,交渉ゲーム及び協力ゲーム理論の主要な概念,ナッシュ交渉解,特性関数形ゲームとその解(コア,安定集合,交渉集合,カーネル,仁,シャープレイ値)について,後半は,戦略形ゲームにおける協力の取扱い,NTUゲームについて厳密な数学的取り扱いを提供します。なお,この科目は慶応義塾大学大学院経済学研究科との共同授業科目です。
交渉ゲーム,特性関数形ゲーム(TUゲーム,NTUゲーム)の理論に基づき,プレイヤー間の協力と交渉についてゲーム理論的な考え方を提供する。さらに,戦略形ゲームにおけるプレイヤー間の協力と交渉についても解説する。
第1回 交渉ゲームとナッシュ交渉解
第2回 特性関数形ゲームと配分
第3回 コアと安定集合
第4回 交渉集合とカーネル
第5回 仁
第6回 シャープレイ値
第7回 演習
第8回 反双対性分析I:範例;コア,仁およびシャープレイ値;凸性
第9回 反双対性分析II:談合;公共財;ビッグボス
第10回 戦略的協力ゲームI:均衡概念
第11回 戦略的協力ゲームII:純粋交換ゲームへの応用
第12回 NTUゲームI:定義,平衡ゲームとコア,仁およびシャープレイ値の定義
第13回 NTUゲームII:角谷不動点定理;シャープレイ値とコアの存在定理
第14回 演習
第15回 質問時間
(第1回~第7回は,武藤が講義を担当し,中山がコメントおよび演習を担当する。 第8回~第14回は,中山が講義を担当し,武藤がコメント及び演習を担当する。)
教科書:「協力ゲームの理論」(勁草書房,中山幹夫他,2008)
参考書:「ゲーム理論」(オーム社,武藤滋夫,2011)
学部レベルの協力ゲーム理論(例えば,東京工業大学社会工学科専門科目「協力ゲーム理論」の授業内容)についての知識を有することを必要とします。
期末試験,ホームワークおよび授業中の演習を総合して評価します。
できるだけ多くの練習問題を解いてもらうつもりです。 この授業を通して協力ゲーム理論的なものの見方,論理的な思考力を身に付けてもらえればと思います。 この授業は,慶應義塾大学大学院経済学研究科との共同授業で,慶應義塾大学における科目名は「ミクロ経済学演習(ゲームの理論)」です。講義は本年度は東京工業大学大岡山キャンパスで行われます。
関連サイト
追って掲示します。