法哲学   Philosophy of Law

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担当教員
宇佐美 誠 
使用教室
木7-8(W936)  集中講義等   
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
68031
シラバス更新日
2011年4月9日
講義資料更新日
2011年6月22日
学期
前期

講義概要

社会工学が目的とする公共的問題の的確な発見と適正な緩和のためには、規範的概念の正確な理解が不可欠である。規範的概念は、公共的問題に対処する各種制度の構成的・規制的な理念であるだけでなく、市民が現行制度への評価・批判や代替的制度の提言を行う際の根拠ともなりうる。本講義では、規範的概念が長年にわたって考究されてきた法哲学のなかの法価値論(より狭く「正義論」とも呼ばれる)をおもに取り扱う。公共的問題対処における最重要概念である正義に関して詳説し、他の主要概念である自由・平等について概説する。
本講義は、対話型授業の方式で行われる。

講義の目的

本講義の目的は、履修者が、規範的概念の思想史的背景・理論的前提・主要学説・実践的適用例等を学習することを通じて、各種の公共的問題や、中央・地方政府、国際機関、非政府組織等による問題対処について、自ら分析・評価・提言を行う際に活用できる規範理論的装置を体得することにある。

講義計画

(1) 概要:講義のねらいと進め方

(2) 正義:正義思想史、現代正義論、グローバルな正義、世代間正義

(3) 自由:危害原理と不快原理、積極的自由と消極的自由

(4) 平等:何の平等か、平等か優先性か

教科書・参考書等

(1) 教科書は使用しない。授業時に予習用コピー資料の配付と一般的参考書の指示を行う。その他の参考文献については、宇佐美研サイト内の「開講科目」ページを参照すること。

(2) 東工大OCW上にあらかじめ予習用ファイル資料「学習のための設問」を掲載するので、それを参照しつつ予習を行うこと。また、東工大OCW上の授業用ファイル資料および「学習のための設問」を印字し、授業時に予習用コピー資料とあわせて必ず持参すること。

関連科目・履修の条件等

(1) 予習用コピー資料の一部に英語論文等が含まれることに鑑みて、次の履修条件を設ける。TOEFL-PBT 470点以上、TOEFL-iBT 52点以上、TOEIC 500点以上。

(2) 今年度の一部の授業は、NHK番組で収録され放映される予定である。履修登録者・聴講者は、撮影・録音・放映を承諾したものとみなされる。詳細は、第1回授業時に説明する。

(3)各回の授業は、講義セッションと質疑・討論セッションに分かれる。受講者は、十分な予習にもとづいて積極的に参加することを求められる。

(4) 本科目では原則的に、平日クラスと土曜日集中クラスが開講される。土曜日集中クラスの受講資格者は、社会工学専攻博士課程ノンプロフィットマネジメント(NPM)コースに所属する社会人学生に限定されている。その他の学生で本科目の履修を希望する者は、本専攻・他専攻の社会人学生を含めてすべて平日クラスを受講する。

(5) 東工大OCW上に掲載された講義計画・成績評価法等は、平日クラス用である。土曜集中クラスについては、その第1回授業時に詳細なガイダンスを行う。

成績評価

(1) 平常点(毎回の無遅刻出席を前提として、座席表を用いつつ、質疑・討論セッション等での発言を質・量の両面から逐一記録し、理解度・予習量・積極性を厳密に評価する。出席自体による加点はないが、欠席・遅刻は減点対象となるので、注意してほしい。)

(2) 中間試験(持込不可)

(3) 期末試験(持込不可)

連絡先(メール、電話番号)

連絡先については、後掲の宇佐美研サイト内の「アクセス」ページを参照。

オフィスアワー

前期授業期間:木曜日16:35-17:35  ※他の曜日・時間での来室を希望する履修者は、事前に電子メールで予約すること。

その他

関連サイト
宇佐美研究室 http://www.soc.titech.ac.jp/~usami/

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