法哲学   Philosophy of Law

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担当教員
宇佐美 誠 
使用教室
月5-6(W9-402~404)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
68031
シラバス更新日
2009年4月9日
講義資料更新日
2010年12月31日
学期
前期

講義概要

価値観が競合しあう現代社会において公共的問題に対処するためには、規範的概念に対する正確な理解が不可欠である。これらの概念は、公共的問題に対処する各種制度の構成的・規制的な理念であるだけでなく、市民が現行制度への評価・批判や代替的制度の提言・実践を行う際の根拠ともなりうる。本講義では、規範的概念が長年にわたり考究されてきた法哲学のなかの法価値論(より狭く「正義論」とも呼ばれる)をおもに取り扱う。法価値論における最重要概念である正義に関して詳説し、他の主要概念である自由について概説する他、近年注目されている効率性・公共性にも論及する。

講義の目的

本講義の目的は、履修者が規範的概念の思想史的背景・理論的前提・主要学説・実践的適用等を学習することを通じて、各種の公共的問題や中央・地方政府および非政府組織による問題対処法について自ら分析・評価・提言を行う際に活用できる理論装置を体得することにある。

講義計画

1 概要:講義のねらいと進め方
2 正義:正義思想史、現代正義論、グローバルな正義、世代間正義
3 自由:危害原理とその後の展開、二元論とその後の展開
4 効率性:前提と射程
5 公共性:西洋と日本での公私区分

教科書・参考書等

(1) 教科書は使用しない。授業時に予習用コピー資料の配付と一般的参考書の指示を行う。その他の参考文献については、宇佐美研サイト内の「開講科目」ページを参照すること。

(2) 東工大OCW上にあらかじめ予習用ファイル資料「学習のための設問」を掲載するので、それを参照しつつ予習を行うこと。また、東工大OCW上の講義用ファイル資料を印字し、授業時に必ず持参すること。

関連科目・履修の条件等

(1) 各回の授業は、講義セッションと質疑応答・討論セッションに分かれる。受講者は、十分な予習にもとづいて積極的に参加することを求められる。

(2) 本科目では、平日クラスと土曜集中クラスが開講される。土曜集中クラスの受講資格者は、社会工学専攻博士課程ノンプロフィットマネジメントコースに所属する社会人学生に限定されている。その他の学生で本科目の履修を希望する者は、本専攻・他専攻の社会人学生を含めてすべて平日クラスを受講しなければならない。

(3) 東工大OCW上に掲載された講義計画・成績評価法等は、平日クラス用である。土曜集中クラスについては、第1回授業時に詳細なガイダンスを行う。

(4) 平日クラス受講者への案内・通知は、社会工学専攻の電子掲示板
( http://www.soc.titech.ac.jp/cgi-bin/lectures/privateb.cgi )
および掲示板(大岡山西9号館5階)で行っている。定期的に確認すること。

成績評価

(1) 平常点(毎回の無遅刻出席を前提として、座席表を用いつつ、質疑応答・討論セッション等での発言を質・量の両面から逐一記録し、理解度・予習量・積極性を厳密に評価する)

(2) 中間試験(持込不可)

(3) 期末試験(持込不可)

その他

関連サイト
宇佐美研サイト http://www.soc.titech.ac.jp/~usami/

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