生涯設計のためのリスク管理と労働福祉第1   Risk Management and Labor Welfare for Lifelong Design I

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担当教員
畑 満  峰崎 直樹  中村 秀一  梶本 章  小島 茂 
使用教室
火9-10(W9-311)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
67066
シラバス更新日
2015年3月20日
講義資料更新日
2015年3月16日
学期
前期

講義概要

超少子高齢化・成熟化社会を迎える21世紀の日本において、長い人生に生ずるリスクへの対応としては、公助としての社会保障や、労働・雇用まで含めた生活保障、共助としての共済、そして自助の適切な組み合せが重要である。それら諸制度の基本的考え方、問題点を解決するための思考法,関連する税制や財政制度等を、政・官界、労働界、マスコミ等のトップクラスの専門家からなる講師陣が講義する。また,これらに対する講師陣とのディスカッションにより、理解をさらに深めさせる。第1では、社会保障・労働と雇用・共済・国家財政・税制に関する基本的な内容を講義する

講義の目的

人生いつ何が起こるか分からない。本講義では、人間が生まれてから死ぬまでの一生の間に直面する様々なリスクへの対応方法について、社会保障のみならず労働・雇用を含めた生活保障や共助としての共済を包含した大きな視点から、理論的・実証的・数理的に考察する。社会保障制度や、共済生協が提供する共済は、人生におけるリスクを回避・軽減するための制度であり、法律、経済、金融、数理など多様な専門領域を基盤としている。昨今は、社会保障制度の危機を一部のマスメディアや経済学者等が煽っているが、事実無根かつ表層的な見方のため、真実を正しく伝えていない。本講義では、リスクマネジメントの視点に立脚した本質的な議論の提起により、受講生が正しい思考法を習得することを目的とする。

講義計画

1. ガイダンス / 社会保障・共済の役割と本質
2. 近代社会の形成と現代日本の共済制度
3. 共済制度の意義とアクチュアリーの役割
4. 社会保障・税一体改革の本質(1)
5. 社会保障・税一体改革の本質(2)
6. メディアが提案した社会保障改革提言(2008年「希望社会への提言」をめぐって)
7. メディアから見た社会保障と雇用政策(非正規雇用をめぐって)
8. 税制のあり方と社会的国家(社会保障・教育)(1)
9. 税制のあり方と社会的国家(社会保障・教育)(2)
10.現代日本における労働・雇用を巡る諸問題
11.勤労者の視点からの新たな社会的セーフティーネットの再構築
12.医療費分析から見たリスク
13.日本経済と財政・競争政策
14.地域の人口減少とコミュニティー
15.人口減少社会における社会保障と共済

教科書・参考書等

レジュメを適宜配布するため、特定の教科書は用いない。

参考書等
なお参考図書は以下の通り。
<参考図書>
厚生省「平成11年版厚生白書―社会保障と国民生活」
厚生労働省「平成24年版厚生労働白書」
厚生労働省「平成24年版労働経済の分析」
堀勝洋著「社会保障法総論」東京大学出版会
堀勝洋著「社会保障読本」東洋経済新報社
宮本太郎著「生活保障」岩波新書
エスペン・アンデルセン著「福祉資本主義の3つの世界」ミネルヴァ書房
貝塚啓明+財務省財務総合政策研究所編著「経済成長と財政健全化の研究」中央経済社
石弘光著「現代税制改革史」東洋経済新報社
森信茂樹著「日本の税制」岩波書店
埋橋孝文・連合総合生活開発研究所編「参加と連帯のセーフティネット」ミネルヴァ書房
樋口美雄著「雇用と失業の経済学」日本経済新聞社
中川雄一郎・杉本貴志編、全労済協会監修「協同組合を学ぶ」日本経済評論社
鷲尾悦也著「共助システムの構築」明石書店

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

授業への参加態度およびレポートにより評価する。

担当教員の一言

政・官界、労働界、マスコミ等でそれぞれ実績を上げて来た一流講師と、各分野の第一線で現在活躍しているゲストスピーカーによる、マスメディアが報じない真実の講義とディスカッション。

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