生涯設計のためのリスク管理と労働福祉第2   Risk Management and Labour Welfare for Lifelong Design II

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担当教員
畑 満  峰崎 直樹  中村 秀一  梶本 章  小島 茂 
使用教室
火9-10(W9-311)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
67067
シラバス更新日
2013年9月24日
講義資料更新日
2013年9月20日
学期
後期

講義概要

超少子高齢化・成熟化社会を迎える21世紀の日本において、年金・医療・介護・生活保護等の社会保障各制度や、協同組合による共済は、長い人生の間に生起するリスク対応策として不可欠な制度である。これら各制度における諸問題を解決するための思考法を,関連する国家の財政制度・国債・国際金融、リスク管理などに視野を拡げつつ、政・官界、労働界、マスコミ等を経験したトップクラスの専門家からなる講師陣が、ディスカッションを交えながら、講義する。第2では、第1と異なり、年金・医療・介護・生活保護などの個別政策の重要問題を重点的に取り上げた講義を中心として行う。

講義の目的

本講義では、人間が一生の間に直面する様々なリスクに対して、理論的・実証的・数理的な視点から、如何にすれば安心して暮らせる社会が構築できるのかについて、年金・医療・介護・生活保護などの個別政策を軸に考察する。昨今は、年金や医療制度の危機を一部のマスメディアや経済学者等が煽っているが、事実無根かつ表層的な見方のため、真実を正しく伝えていない。本講義では、法律、経済、金融、数理、リスク管理など、幅広い専門領域を基盤としつつ、リスクマネジメントの視点に立脚した本質的な内容を講義し、受講生が、これらの諸問題について、本質的な理解を深め、正しい思考法を習得することを目的とする。 

講義計画

1. 後期ガイダンス / 公的年金制度を巡る諸問題
2. 医療・介護制度の構造分析と諸問題
3. メディアによる年金改革提言合戦の結末
4. メディアから見た医療・介護の2025年問題
5. 海外の社会保障アクチュアリーの役割とリスク管理
6. セーフティーネットの社会保障政策(1)
7. セーフティーネットの社会保障政策(2)
8. 年金制度・政策のあり方(1)
9. 年金制度・政策のあり方(2)
10.勤労者のリスクマネジメントとしての年金制度の在り方
11.勤労者のリスクマネジメントとしての医療・介護制度の在り方
12.医療費分析とリスク管理
13.国家財政と国債・国際金融
14.共済のリスク管理と統合リスク管理
15.年金財政とリスク管理

教科書・参考書等

レジュメを適宜配布するため、特定の教科書は用いない。

参考書等
なお参考図書は以下の通り。
<参考図書>
厚生省「平成11年版厚生白書―社会保障と国民生活」
厚生労働省「平成24年版厚生労働白書」
吉原健二著「わが国の公的年金制度」中央法規出版
権丈善一著「年金改革と積極的社会保障政策ー再分配政策の政治経済学Ⅱ」(第2版)慶応義塾大学出版会
増田雅暢・畑満著「年金制度が破綻しないことがよくわかる年金Q&A」TAC出版
玉木伸介著「年金2008年問題―市場を歪める巨大資金」日本経済新聞社
権丈善一著「医療年金問題の考え方ー再分配政策の政治経済学Ⅲ」慶応義塾大学出版会
吉原健二・和田勝著「日本医療保険制度史」東洋経済新報社
島崎謙治著「日本の医療―制度と政策」東京大学出版会
池田省三「介護保険論」中央法規出版
和田勝「介護保険制度の政策過程」東洋経済新報社
貝塚啓明、アン・O・クルーガー編「日本財政破綻回避への戦略」日本経済新聞出版社
厚生労働省年金局数理課「平成21年財政検証結果レポートー「国民年金及び厚生年金に係る財政の現況及び見通し」(詳細版)-」
厚生労働省社会保障審議会年金数理部会「平成21年財政検証・財政再計算に基づく公的年金制度の財政検証」報告書
厚生労働省社会保障審議会年金数理部会「公的年金財政状況報告(平成23年度)」

関連科目・履修の条件等

無し

成績評価

出席の比重が4割、レポートの比重が6割で成績を評価する。
15回の講義のうち、最低8回出席していることが単位取得の必要条件である。

担当教員の一言

政・官界、労働界、マスコミ等でそれぞれ実績を上げて来た一流講師と、各分野の第一線で現在活躍しているゲストスピーカーによる、マスメディアが報じない真実の講義とディスカッション。

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