価値システム学入門   Introduction to Value and Decision Science

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担当教員
谷口 尚子  池上 雅子  上田 紀行  桑子 敏雄  後藤 美香  坂野 達郎  伊藤 亜紗  金子 宏直  劉 岸偉  江川 緑  戦 暁梅 
使用教室
木3-4(W9-707AV seminar room)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
66033
シラバス更新日
2015年4月10日
講義資料更新日
2015年4月10日
アクセス指標
学期
前期

講義概要

価値システム専攻は,「価値判断と意思決定の科学」をめざす世界でもきわめてユニークな大学院専攻である.本講義では,この新しい科学の理念,研究方法,予想される研究成果などについて論じる.形式は,価値システム専攻教員がリレー式講義で行う.「価値システム学」の入門となる講義である.

講義の目的

受講者は,専攻教員が「価値システム学」という新しい領域をどのように設計し,つくりあげているのか,複眼的な観点から学習する.このことを通じて,受講者自身が築きあげるのはどのような価値システム学であるのか,意義深い洞察を得ることになるだろう.本年度は,「多様性を巡る対立と協調」という共通テーマについて議論を行う(2013年は「幸福・平等」,2014年は「善・悪」).価値システム専攻には,多様な学問分野や研究方法論がある.自身がコミットする分野の特徴・意義を理解すると同時に,他分野のそれを理解し吸収するならば,各受講者の学習・研究内容はより多彩で学際的なものになるだろう.またより一般的に,社会の中で,人間同士で,多様な価値観の対立が生じる時もある.そのような対立からいかにして協調を生み出すか,討論等からも実践的に学びたい.

講義計画

4月9日 ガイダンス
4月16日 桑子敏雄「社会的合意形成のデザインとマネジメント」      
4月23日 上田紀行「日本社会と多様性ー『世間』と『空気』をめぐって」     
5月7日 伊藤亜紗「障害と多様性ー『尊重』から『協働』へ」      
5月14日 討論1 谷口尚子
5月21日 坂野達郎「都市のダイナミズムと多様性:J.Jacobsの都市論より」
5月28日 池上雅子「歴史認識の対立と協調:原爆投下政策決定再検証」
6月4 日 戦暁梅「道徳と芸術,そして異文化理解へー「裸体画騒動」をめぐる価値観の対立と協調」
6月11日 江川緑「高齢者の多様性をめぐる諸問題」
6月18日 討論2 猪原健弘
6月25日 後藤美香「生産性分析を巡る協調と対立」   
7月2日 金子宏直「法律と多様性を巡る対立と協調」
7月9日 劉岸偉「異文化受容の多様性ーラフカディオ・ハーンの日本体験を中心に」    
7月16日 谷口尚子「市民意識の多様性を巡る対立と協調」
7月23日 総括(谷口ほか)
7月27日(月) レポート提出期限

教科書・参考書等

講義の中で参考書を紹介する.

関連科目・履修の条件等

価値システム専攻生および価値システム専攻を副専門とする者だけが履修できる. 価値システム専攻を副専門とするには手続きが必要である.詳細は大学院学習案内の「副専門制度の履修案内」を参照すること.

成績評価

1) 成績は,出席状況50%,レポート50%で評価する.
2) レポート課題:自分が大きな関心を持った講義回を2つ選び,その講義のテーマと提示された参考文献,関連の討論の内容を踏まえ,合計2本の独立したレポートを作成せよ.単なる感想文ではなく,独自に文献・資料を調査したり,実証・試行などを行った内容を含むこと.各2,000字以上.A4サイズ(1枚1,000字程度)で提出.図表は1枚200字で換算.
3) レポートを提出する教員の指定:自分が選んだ2回の講義の担当教員2名を表紙に明記し,提出すること.レポートの評価は,①講義内容・文献内容の理解,②討論から得られた示唆,③独自の調査・検証・試行,の各点から行う.
      (提出されたレポートの評価とは別に,教員からレポートに関するコメントが返される場合がある)
4) 提出先:西9号館2Fにある本講義レポート提出用のメール・ボックス
5) 提出期限:2015年7月27日(月)17:00

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