先端計算音楽論   Advanced Computational Musicology

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担当教員
使用教室
木7-8(W9-906)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
66080
シラバス更新日
2013年10月10日
講義資料更新日
2013年9月20日
学期
後期

講義概要

音楽はテクノロジーに大きく依存した芸術です.
20世紀初頭には音楽制作の現場に軍事利用を背景とした技術が転用され,現代音楽は新たな方向性を見出しました.第2次世界大戦の終焉とともに世界各地に建設されたラジオ局やレコーディングスタジオを拠点に電子音楽が創造され,数多くの実験が試みられてきました.1960年代には電子工学・音響物理 学の専門家を抱えた大学・研究機関から音響と音楽に関わる基礎研究の成果が現れはじめ,今日の音楽制作の基盤が整いました.そして21世紀には個人がコンピュータとインターネットを利用できるまでに至り,音楽制作の可能性はかつてないほど高まっています.あらゆる選択肢が増えた一方で,テクノロジーを取捨しながら活用していくリテラシーが求められています.

講義の目的

本講義は,前期「基礎計算音楽論」に引き続き,音楽を支えるテクノロジーについて,計数的に理解を深めることを目標としています.

前半では,音楽認知,情報理論,言語理論に関する文献を通読し,音楽認知と音楽の計量分析についてハイレベルな視点から学びます.
後半では,実際にプログラムを組みながら,前期に学んだ音階論,楽器学・心理学・物理学の知見をアウトプットする作業が中心となります.

講義計画

音楽認知と計量分析(1)
音楽認知と計量分析(2)
音楽認知と計量分析(3)
音階論(3)
音階論(4)
電子音楽とアルゴリズムによる作曲(4)
電子音楽とアルゴリズムによる作曲(5)
電子音楽とアルゴリズムによる作曲(6)

教科書・参考書等

David Temperley (2001) "The Cognition of Basic Musical Structures", MIT Press
Robert Snyder (2001) "Music and Memory", MIT Press
Ge Wnag (2008) "The ChucK Audio Programming Language" Ph.D Thesis, Princeton University

関連科目・履修の条件等

前期「基礎計算音楽論」で扱った概念・哲学・研究理念について理解を深めるため,前期科目を受講していることが望ましい.
現代音楽になじめる精神的態度が不可欠である.20世紀,21世紀の作曲家で,語ることのできる好みの作曲家を一人はもっていること.

成績評価

授業内の実習およびレポート課題1編による

担当教員の一言

毎回,原著論文を多読しながら講義を進めていくので,英語に対する苦手意識があると少し辛いかも知れません.

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