コンテンツ産業は日本のサービス産業の中で、高い国際競争力を持つ分野の一つである。講義の前半部では日本型コンテンツに特徴的な作り手と受け手の相互作用、メディア間の相互作用といった、日本型コンテンツに特徴的な創出プロセスに力点を置いてマーケットの構造を分析する。この過程で、日本型コンテンツ産業の課題、コンテンツ産業のビジネスモデル、グローバル化の可能性といった論点について議論を行い、日本型コンテンツサービスを分析する際に必要となる考え方を提供したい。講義の後半部では漫画、アニメ、ゲーム、ライトノベル、フィギュアといった日本型コンテンツの現場で活躍するゲストスピーカーを招いた討論を通じて、日本型コンテンツ産業の現状を描く。
Ⅰ 総論編
1(10/04) : ガイダンス、コンテンツ産業のプラットフォーム構造と文化政策(出口弘)
2(10/18) : 超多様性市場を支えるバリュー・プロポジション(岡安英俊)
3(10/21木:月曜の振替授業) : 通信・放送融合の論点 ~規制はだれのためのもの~(KDDI総研 藤原正弘)
4(10/25) : 小規模ゲーム開発の現状と課題(七邊信重)
5(11/01) : コンテンツ産業を巡る制度と政策(東京大学 田中秀幸)
6(11/08) : 日本におけるメディアミックスとソフトパワー(マルチメディア振興センター 田中絵麻)
7(11/15) : ゲーム産業のハリウッド化(小山友介)
8(11/22) : “二次創作”文化の発展と周辺メディアへの浸透(岡安英俊)
9(11/29) : ポピュラー音楽におけるインディーズの成立(東京大学 樺島榮一郎)
10(12/06) : コンテンツ産業の人的資本形成とグローバリゼーション(出口)
11(12/13) : コンテンツ産業と法---混淆が生み出す法運用問題---(弁護士 板倉陽一郎)
12(12/20) : コンテンツとしてのファッション産業と行政(中村仁)
13(01/10) : ゲストスピーカーを招いた対談形式で講義を行う
14(01/17) : ゲストスピーカーを招いた対談形式で講義を行う
15(01/24) : 総合討議
※ 昨年度のゲストスピーカーとしては同人誌生活文化総合研究所の三崎尚人氏、少年画報社YOUNGキングアワーズ編集長の筆谷芳行氏を招いて討議を行った。
※ 本講義は京都大学経済学研究科にインターネット配信される予定である。
参考文献:『コンテンツ産業論――混淆と伝播の日本型モデル』(東京大学出版会、出口弘・田中秀幸・小山友介編)
特になし
レポート(最終回の講義において指示する)