「予測」をキーワードに日本や世界経済の様々な論点を切り出し,受講者とのディスカッションを通じて,「生きた経済」への理解を深める講義にしたい。例年の講義では,受講者と相談しながら研究・関心分野に即した論点を取り上げてきたが,今年度は事情により集中講義となった。そのため、経済予測の基礎となる「日本経済をみる眼を養う」をテーマとする。
ネット社会の到来により、新聞、雑誌のみならず日本経済の今を伝える様々な情報・データがあふれるようになった。そうした情報にだまされず、振り回されず、上手に料理できる力を養ってもらうことが講義の目標である。具体的には、日本銀行「金融経済月報」「経済・物価情勢の展望」を題材に、データから経済の現状を読み解く方法を学んでもらう。
以下の補講期間中に実施する予定。昼休み、休憩などはさみ、1日3コマずつである。
・2月1日(10時40分~16時30分)
日本銀行「金融経済月報」「経済・物価情勢の展望」を題材に、日本経済を概観するうえでのポイントを解説するとともに、経済予測業務の実例について紹介する。
・2月2日(10時40分~16時30分)
輸出に次ぐ、景気の第2エンジンである民間企業設備投資について様々な観点から学んでもらう。具体的には設備投資の先行きを読む方法、資本ストック循環図、資本コストの考え方、企業の様々な「利益」について触れる。
・2月3日(10時40分~16時30分)
物価および金融動向について様々な観点から学んでもらう。GDPギャップ、インフレ・デフレ、フィリップスカーブ、実効為替レート(実質・名目)、テイラー・ルールなどがキーワード。物価に影響を与える雇用動向などについてもあわせて解説する予定。
・2月4日(10時40分~16時30分)
国民経済計算データを用いて、日本の財政の現状を解説するとともに、国際比較も行いたい。これまでの講義を踏まえ、日本経済が長期低迷を脱していくうえで必要な政策のあり方についても、受講生とディスカッションしたいと考えている。
毎回レジュメを配布する。マクロ経済学の基本的なテキストを持参することが望ましい。
特になし。経済学の未履修者であっても、興味と熱意があれば歓迎する。
出席、授業内クイズ、レポートによる。レポート課題は講義中に提示する。
「生きた経済」の解釈と経済予測に“正解”はない。間違ってもいいので、自分の見方や意見をどしどし述べてくれる参加者を歓迎する。