言説方法   Methods of Discourse

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担当教員
井口 時男 
使用教室
金7-8(W931)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
66006
シラバス更新日
2009年10月8日
講義資料更新日
2009年9月28日
学期
後期

講義概要

社会的価値意識は膨大な言説複合体として形成されている。我々の日々の言説実践は,こうした社会的言説への批判を内蔵していなければならない。講義では近代の文芸批評を事例として,文芸批評とはいかなる言説行為であるか,文芸批評はいかに社会的言説と切り結んだか,を考える。扱うのは,小林秀雄と中野重治の対比を中心に,昭和の戦時下の言説。

講義の目的

 主体的な言説実践を行うためには「常識」とか「イデオロギー」といった社会的言説を批判的に吟味しなければならない。本講義では、幾人かの著名な批評家(文芸批評家)を取り上げ、その代表的エッセイを素材にして、支配的な社会言説に対する批評実践の方法を考える。
 今年度は「戦争」の時代の批評実践として、小林秀雄を中心に、中野重治や保田与重郎の批評について検討する。
 テキスト講読中心の講義になるはず。詳細は第1週のガイダンスで。 

講義計画

講義計画
・マルクス主義批評・・・批評基準の客観性は可能か
・小林秀雄「様々なる意匠」・・・批評とは何か、批評の自覚 
・佐野学・鍋山貞親の転向宣言・・・「転向」の論理と心理
  参考:吉本隆明「転向論」・・・モダニズム批判
・中野重治「村の家」「「文学者に就て」について」「ねちねちした進み方の必要」
・・・リアリズムの思想、または後退戦としての抵抗
・保田与重郎「日本の橋」他・・・「浪漫」としての日本
・小林秀雄「文学と自分」「無常という事」他・・・死と美と倫理

教科書・参考書等

授業で使用する資料はコピーで配布する。
参考書
柄谷行人編『近代日本の批評 昭和篇』(講談社文芸文庫)
井口時男『批評の誕生/批評の死』(講談社)

関連科目・履修の条件等

特になし。

成績評価

出席と発表およびレポート

担当教員の一言

特になし。

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