言語学・応用言語学の基礎   Introduction to Linguistics and Applied Linguistics

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担当教員
平川 八尋  山元 啓史 
使用教室
水1-2(W9-202Seminar Room ofthe Department ofHuman System Science)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
65074
シラバス更新日
2015年4月20日
講義資料更新日
2015年4月19日
アクセス指標
学期
前期

講義概要

一般的な言語学と応用言語学に関する基礎的な知識と技能を習得する。
前半は、「言語学とはどんな科学か」と題して、言語学への導入を行う。言語学とコンピュータによる言語の分析・実験についても触れる。
後半は、「言語学と言語の仕組み」と題して、理論言語学分野(音韻、語形成、統語、意味)での言語分析について考える。

前後半とも授業は講義とディスカッションによって進める。授業の最後の2回は「はじめての言語研究」として受講者自らが決めたテーマでポスター発表を行い、そのフィードバックをもとに論文を執筆し、提出する。

講義の目的

一般的な言語学と応用言語学に関する基礎的な知識と技能を習得する。
前半は、「言語学とはどんな科学か」と題して、言語学への導入を行う。言語学とコンピュータによる言語の分析・実験についても触れる。
後半は、「言語学と言語の仕組み」と題して、理論言語学分野(音韻、語形成、統語、意味)での言語分析について考える。前後半とも授業は講義とディスカッションによって進める。
授業の最後の2回は「はじめての言語研究」として受講者自らが決めたテーマでポスター発表を行い、そのフィードバックをもとに論文を執筆し、提出する。

講義計画

全15週。
[前半] 山元啓史「言語学とはどんな科学か」

1.ウィトゲンシュタインと言語ゲーム
「言語は公共のもの」というウィトゲンシュタインのことばにはいったいどういう意味があるのだろうか。「言語ゲーム」とは何か。「家族的類似」とは何か。

2.チューリングとチューリングマシン
「言語」を記述するとはどういうことだろうか。チューリングはチューリングマシンで有名である。現象をとらえるために帯状のテープと左右に動くヘッドを模型としたが、なぜ彼は抽象的なものをそのようにとらえたのだろうか。「言語」も似たようなモデルを考えても良いだろうか。

3.ジップとジップの法則
多くのテキストに見られる「語」を数えると、ジップの第2法則というものになる。この法則は偶然発見されたものだろうか。それともある試行錯誤があって発見したものだろうか。ジップの法則は、「言語」以外にも見られるものだろうか。もし、「言語」以外にも見られるのなら、それはいったい何に支配されているのだろうか。

4.ダニエル・ジョーンズの18の基本母音
「言語の音」をとらえるとはどういうことだろうか。とらえるためにダニエル・ジョーンズはどんな方法を用いたのだろうか。抽象的な音の世界に対して、彼はどんなアプローチをとり、どう普遍化をおこなってきたのだろうか。

5.ソシュールと記号論
「言語」には文字・記号のように目に見えるもの、概念のように目に見えないもの、それらの混在したもの、つまりどこからどこまでが概念的、どこからどこまでが具体的かよくわからないもの、などなどさまざまな対象がある。ソシュールはこれらの言語の要素をどのように整理し、どのようにとらえようと考えたのだろうか。

6.フィルモアと格文法
「文」を構造的にとらえるために、フィルモアは動詞とそれと関連する格で表現した。「格」とはいったいなんだろうか。「格」で言語の構造を考えるとどういう利点があるのだろうか。「格」という概念は言語の普遍的な記述にどこまで貢献できるのだろうか。

7.シュラムとコミュニケーション理論
言語によって「メッセージ」を「伝える」とはどういうことだろうか。また、「伝わらない」とはどういう現象だろうか。何が「伝える・伝わる」条件となっているのだろうか。「伝わらない」とは「文」そのものが不備なのが原因だろうか、それとも「文」そのものは不備がなくても伝わらないことがあるのだろうか。「言語」と使い手の「人間」との間にはどのような関係があるのだろうか。

[後半] 平川八尋「言語学と言語の仕組み」

8.音声(連濁)
9.語形成 1
10.語形成 2
11.統語
12.意味
13.母語習得

[ポスター発表] 平川、山元 「はじめての言語研究」

ポスター発表の目的は、期末レポートをより多くの人の意見を取り入れてより豊かな言語研究を経験することである。
発表は人数の関係上、2日間に分けて行う。
ポスターに書くべき詳細については次に述べる。

1) 研究タイトル:タイトルは印象的でわかりやすいものを書く。
2) 氏名: フルネームで。
3) 所属: 「東京工業大学社会理工学研究科人間行動システム専攻」というようにそれぞれの所属を略さないで書く。
4) 「はじめに」: 研究目的、研究仮説を書く。
5) 「方法」: 方法は2つある。1つは調査や実験の方法で、もう1つは仮説を検証するための方法である。
6) 「結果」: 方法を実施した結果について書く。
7) 「考察」: 結果として述べた事実を元に、先行研究と合わせて、仮説の立証について述べる。
8) 「おわりに」: 研究の目的と仮説を簡単に繰り返し、その結論を述べる。
9) 「文献」: 氏名(年代)の記載方式を採用する。
10) インターネットからの引用を禁じる。


14.参加者、Aグループによるポスター発表
15.参加者、Bグループによるポスター発表

教科書・参考書等

教科書はなし。資料を配布する。
他にも授業中に推薦する。

関連科目・履修の条件等

ディスカッションに積極的であること以外、履修の条件は得になし。

成績評価

出席を重視する。出席率70%以下の場合には単位は与えられない。
授業中のディスカッションに積極的に参加することで、成績を加味する。
ポスター発表は必須とする。期末にレポートを課す。レポートの出来不出来で成績を決める。

担当教員の一言

基礎であるので、言語学の知識の前提は問わない。
むしろ、言語に関する素朴な疑問を積極的に質問してくださる学生の態度を尊重する。
自分の考えを大切にし、他の意見に耳を貸し、互いに悩み、解決することを通して、
言語学の本質を議論してほしい。とにかく言語学を楽しみましょう。

オフィスアワー

特にオフィスアワーを設けない。いつでもメールでご連絡を。研究室へもどうぞおいでください。

その他

楽しい授業にするように心がけます。どうぞ皆さんも言語学を楽しみましょう。

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