日本語の言語構造   Linguistic Structure of Japanese Language

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担当教員
仁科 喜久子 
使用教室
金3-4(W9-202)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
65023
シラバス更新日
2009年10月5日
講義資料更新日
2009年9月28日
学期
後期

講義概要

日本語を具体例として言語構造を理解することを目的とする。専門分野に密接に関連する受講者のみならず,他の専攻分野の学生にも興味がもてるよう日本語の構造を音声,文字,文法,意味,談話という言語レベルの視点,自然言語処理,第二言語習得,認知言語学,社会言語学などの学際的な視点から考察する。日本語研究の歴史から今日的な話題まで広く講じる予定である。

講義の目的

言語研究で必要となる基礎知識習得としての日本語の言語構造に関する知識を修得することを目的とする。言語の本質に関する考察を基底として意味、概念、表現形式について講述し、学生との討論も行う。具体的には学習システムに必要な言語処理の方法としての形態素解析、構文解析、談話分析の方法、日本語コーパスについて講述する。

講義計画

第1回 10月2日(金)
1.オリエンテーション     
2.日本語言語構造研究の概説
第2回 10月9日(金)
1.自然言語処理と日本語
2.音声言語処理と日本語
3.教育工学と日本語 
4.検索技術と言語教育
第3回  10月16日(金) 第3回 
1. コーパス言語学とはなにか
2. コーパスの構築
3. コーパス応用の研究例

第4回 10月30日(金)
1.日本における言語研究前史
2.四大文法 概説
3.橋本進吉
第5回 11月6日(金) 
1.時枝誠記
2.時枝文法とソシュール 
第6回 11月13日(金)
1.松下文法と格文法(生成文法) Fillmore
2.Chomsky 深層構造と表層構造
3.山田文法とゲシュタルト心理学
第7回 11月20日(金)
社会言語学(1)
1.敬語<待遇表現>
2.若者言葉・女言葉・職業語<言語位相論>

第8回 11月27日(金) 
 社会言語学(2)
方言<言語地理学>
 
第9回 12月4日(金)
1. 認知心理学・認知言語学と日本語研究  
2. 比喩と言語認識
3. 発達言語学の概説 言語習得
4. 脳と言語
第10回 12月11日(金)
1. 運用論
2. 発話行為
第11回 12月18日(金)
1.言語美学 言語にとって美とは何か
2. 文学と言語(レトリック-詩学と弁論術)
第12回 1月8日(金)発表(1)
第13回 1月22日(金)発表(2)
第14回 1月29日(金)発表(3)

教科書・参考書等

橋本進吉1946 国語学概論 岩波書店
田中克彦1983「チョムスキー」岩波書店
チャールズ J. フィルモア著 ; 田中春美, 船城道雄訳 1975 格文法の原理:言語の意味と構造 三省堂
柳田國男全集1997 筑摩書房
フェルディナン・ド・ソシュール著;小林英夫訳1972 一般言語学理論 岩波書店
時枝誠記2007国語学原論 岩波書店(岩波文庫)
/ ポール・グライス、 清塚邦彦訳 1998 論理と会話 勁草書房

関連科目・履修の条件等

期末発表・発表内容要旨の提出
・出席率 
・担当教官からの一言 学期中の討論への積極的参加

成績評価

出席点 70パーセント以上出席のこと

担当教員の一言

できるだけ議論に参加することで、自らの言語観を深めることを希望します。

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