書誌環境論   Historical Sciences and Information

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担当教員
早坂 眞理 
使用教室
木1-2(W9-202)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
65017
シラバス更新日
2009年9月28日
講義資料更新日
2009年9月28日
学期
後期

講義概要

言語とそれを機軸に形成される民族・国民意識の関連という視点から,固有の言語獲得をめぐる闘争的性格を帯びた歴史上の事例を紹介する。「自己」と「他者」の区別をめぐって異言語間に生ずる,錯綜した人間社会の諸問題を取り上げ,それをめぐる近代以降の書誌環境の変遷を通時的かつ共時的に論ずることにする。とくに複数の民族がそれぞれの自己認識していく過程で,民衆レベルの情報ネットワークへの接近行動を把握しながら,さらに日常の言語行為を増幅するマルチメディアの現実を考慮して,それに対応した新しい異言語間インターフェース・システムの可能性を考える。

本講義では,1989年の東欧革命,1992年のソ連崩壊を契機とした国際秩序の再編成を射程に入れ,ヨーロッパの東部地域から日本海におよぶスラヴ東欧地域の歴史過程を比較史の立場で検討しながら,上記の課題を論じることにする。

講義の目的

本講義のねらいは、現代の学問状況および大学社会が直面している「国際化」、「総合化」、「情報化」に視点を据え、歴史学の研究手法を再構築することである。歴史史料学と情報科学の関係を重視し、情報史の視点で近代社会を読み直す。担当教員が専門とする中東欧の国際関係史を、印刷革命、書籍文化の確立、知識情報の伝達、情報統制、検閲制度、権力の一元化と集中、書物の大量消費等を主題として取り上げ、近代国家の形成過程を検討する。

講義計画

1、国際化と情報化時代における歴史の方法
2、歴史史料学の復権
3、近代における書誌環境の変遷
4、印刷革命と国民国家
5、言語文化の成立
6、啓蒙主義と書誌情報
7、社会主義思想と印刷技術
7、検閲制度と近代国家
8、出版の大衆化
9、図書館情報/文書館の整備
10、書物の大量消費
11、自分史/家族史の役割
12、移民/難民/亡命
13、書誌情報の整備/管理
14、書誌情報の共有と活用
15、まとめ

教科書・参考書等

とくになし

参考書等
とくになし

関連科目・履修の条件等

とくになし

成績評価

レポートおよび出席点を重視する

担当教員の一言

歴史の見方は多様であることを理解してもらいたい。

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