生態環境システム保全・再生論   Conservation and Restoration of Ecological Environmental Systems

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担当教員
灘岡 和夫 
使用教室
木5-6(W831)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
77013
シラバス更新日
2013年4月3日
講義資料更新日
2013年4月3日
アクセス指標
学期
前期

講義概要

 地球上に存在するさまざまな生態環境システムには,温暖化に代表される地球規模のストレス要因に,さまざまな人為的な要因によるローカルなストレス要因が重なる形で複合的に作用しており,その劣化の進行が顕著になりつつある.したがって,劣化のさらなる進行を食い止め,ひいては再生させていくための戦略論が必要になる.ところで,生態環境は本質的にきわめてシステム的であり,しかもオープンシステムとしての様相を強く持つ.したがって個別対象・アプローチのみによる生態環境保全論には限界があり,必然的に,多角的・広域的・統合的な取組みが求められることになる.本講義では,このような基本的な立場にたって,沿岸域の生態環境問題を主たる対象として,沿岸域に隣接する陸域,外洋域,大気からの影響・相互作用をも考慮した統合生態環境システムとしての理解と評価を目指した議論を,様々な事例を挙げて展開する.その上で,沿岸生態環境システム保全・再生に向けての基本フレームのあり方を論じる.また,対象とする生態環境システムの定量的な実態把握のためのモニタリング・解析手法や環境システム評価・予測のための数値シミュレーションについても実例の紹介を通して講述するとともに,これらの議論の基本となる環境モニタリングの役割・重要性について論じる.

講義の目的

 地球上に存在するさまざまな生態環境システムには,温暖化に代表される地球規模のストレス要因に,さまざまな人為的な要因によるローカルなストレス要因が重なる形で複合的に作用しており,その劣化の進行が顕著になりつつある.したがって,劣化のさらなる進行を食い止め,ひいては再生させていくための戦略論が必要になる.ところで,生態環境は本質的にきわめてシステム的であり,しかもオープンシステムとしての様相を強く持つ.したがって個別対象・アプローチのみによる生態環境保全論には限界があり,必然的に,多角的・広域的・統合的な取組みが求められることになる.本講義では,このような基本的な立場にたって,沿岸域の生態環境問題を主たる対象として,沿岸域に隣接する陸域,外洋域,大気からの影響・相互作用をも考慮した統合生態環境システムとしての理解と評価を目指した議論を,様々な事例を挙げて展開する.その上で,沿岸生態環境システム保全・再生に向けての基本フレームのあり方を論じる.また,対象とする生態環境システムの定量的な実態把握のためのモニタリング・解析手法や環境システム評価・予測のための数値シミュレーションについても実例の紹介を通して講述するとともに,これらの議論の基本となる環境モニタリングの役割・重要性について論じる.

講義計画

①イントロダクション
   生態環境システムの特徴/危機にある沿岸生態系
②沿岸生態系の基礎理論
③閉鎖性沿岸域の生態環境問題1
④閉鎖性沿岸域の生態環境問題2
⑤サンゴ礁海域の生態環境問題1
⑥サンゴ礁海域の生態環境問題2
⑦地球環境問題と沿岸生態環境システム/
   アジア・オセアニアの沿岸域生態環境の諸問題
⑧沿岸生態環境システム保全・再生計画の事例
⑨沿岸生態環境システム保全・再生に向けての基本フレームpart1
保全・再生の基本理念/保全・再生に向けての2つの機軸/複合ストレスの包括的把握と評価/生態系ネットワークとシステム回復力/環境収容力
⑩沿岸生態環境システム保全・再生に向けての基本フレームpart2
再生技術の可能性と限界/順応的管理とは/「里海」は実現し得るか/環境モニタリングの重要性/普及・啓発・環境教育・人材育成
⑪グループディスカッション1
⑫グループディスカッション2
⑬グループディスカッション3
⑭⑮ グループ発表会(2時間)

教科書・参考書等

教科書: なし
参考書: なし

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

講義出席(約2割)・グループ発表会(約4割)・レポート(グループ毎,約4割)

連絡先(メール、電話番号)

nadaoka@mei.titech.ac.jp

オフィスアワー

毎週木曜日15:00-15:30

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