講義日程(集中講義):
12月 9日(月)5・6・7・8時限
12月10日(火)5・6・7・8時限
12月11日(水)5・6時限
12月12日(木)5・6・7・8時限
12月13日(金)5・6・7・8時限
場所:大岡山キャンパス西8号館W棟1101
サブタイトル:無限群の幾何学への招待
概要:群は, 集合とある性質をみたす二項演算の組として定義される. この講義では, 主に有限個の元から生成される無限群について考察する. このような群から, ケーリーグラフとよばれるグラフ(一般に無限グラフ)が定まる. ケーリーグラフを考察することにより, 群の代数的な性質は, 幾何的に見通しよく解釈できる場合がある. 近年, 活発に研究されている「幾何学的群論」は, このような見方で群の性質を調べる分野である. 幾何学的群論は, 位相幾何学, 力学系理論, 確率論といった様々な分野と関連がある. この講義では, 群の生い立ちから話しをはじめ, 代表的ないくつかの無限群を紹介し, それらの性質について考察する.
この講義の目的は, 最先端の研究を最終的に理解することではなく, よく知られている重要な例や命題を理解することである.
以下の項目について解説する.
1.図形のシンメトリーと群
2.グラフの対称群
3.有限生成群とケーリーグラフ
4.無限2面体群
5.自由群, ピンポン補題, 自由群の木への作用
6.Burnside の問題と rooted tree へ作用する群
7.Baumslag-Solitar group
John Meier, Groups, Graphs and Trees
~An Introduction to the Geometry of Infinite groups
その他の参考文献は講義中に指示する.
群とグラフの基礎的な概念のみ仮定する.
レポートによる.
情報科学科の「代数系」の講義を履修していれば, この講義の内容はある程度理解できる. 数学系の研究室に所属していない学生の皆さんにも聴講してもらいたい.