非線形性現像の数理構造を解折する為に必要な,微分方程式,無限次元力学系,不変多様体,分岐理論,アトラクターとフラクタル次元などの基礎理論と応用について講義する。
非線形現象の数理構造を解析するために必要な基礎概念および手法について講義する.
主として常微分方程式を対象とするが、講義内容の多くは偏微分方程式についても成立する.また、近年発
展の著しいカオス・フラクタル理論の入門的解説も行う。
第1章解の存在定理
§1 局所解(存在, 一意性, データに関する連続性)
§2 大域解(解の閉じ込め,Lyapunov 関数)
第2章安定性理論
§1 平衡解の安定性(線形化方程式)
§2 安定多様体
§3 周期解の安定性(Floquet の理論)
第3章分岐理論
§1 分類, 1次元の例
§2 単純固有値からの分岐(Lyapunov-Schmidt の方法)
§3 Hopf 分岐
第4章アトラクター
§1 フラクタル次元
§2 アトラクターとLyapunov 指数
参考書等
参考書として次のものをあげておく.
・ 笠原晧司,微分方程式の基礎,朝倉書店.
・ 増田久弥,非線形数学,朝倉書店.
・ S. ウィギンス,非線形の力学系とカオス,丹羽敏雄監訳,シュプリンガー・フェアラーク東京.
「集合と位相」,「複素解析とフーリエ解析」,「応用微分方程式論」(情報科学科)の知識
を前提とする.
レポートの提出による.
理論的構造を理解する為に、数学的証明を理解することが必要な場合が多い.そ
の様な証明はなるべく丁寧に解説する予定である.