数理・計算科学に関するいくつかのトピックスを紹介する。
カーネル法:正定値カーネルによるデータ解析」
機械学習分野で近年発展してきた,正定値カーネルないしは再生核ヒルベルト空間を用いたデータ解析の方法論「カーネル法」を体系的に理解することを目的とする.カーネル法が,変数の高次モーメントを計算効率の高い形で扱う方法論であることを解説し,その方法論を支える考え方と数学的原理を,具体例を通して詳しく説明する.また,サポートベクターマシン,カーネル主成分分析などの代表的手法について,データを用いた実際例も含めて紹介する.さらに最近の話題として,確率変数の独立性や条件付独立性などの基本的な統計的概念をカーネル法によって扱う方法を解説する.
1.カーネル法の概観
2.正定値カーネルと再生核ヒルベルト空間I
3.カーネル法のさまざまな手法
4.サポートベクターマシン
5.正定値カーネルと再生核ヒルベルト空間II
6.カーネル法によるノンパラメトリック推論:独立性・条件付独立性
福水「カーネル法入門」朝倉書店(近刊)
予備知識としては,対称行列の固有値分解など線形代数の基礎,および主成分分析や線形回帰などの基本的なデータ解析手法に関する知識があることが望ましい.
レポート
授業科目:「ORの理論第二」(8学期)及び「数理・計算科学特論第五」(大学院)
授業担当:福水健次(情報・システム研究機構 統計数理研究所・教授)
期間: 11月17日(水),18日(木),19日(金),11月24日(水),25日(木),26日(金)
時間: 7-8時限,9-10時限 (15:00-18:10)
教室: 初回のみW809,2回目以降はW1008 (どちらも西8号館W棟のエレベータを利用)
連絡先: 下平英寿(情報科学科または数理・計算科学専攻)
西8W-707 shimo@is.titech.ac.jp