不斉合成反応は、天然有機化合物や医薬品等の生体関連物質に多用されている光学活性体を効率的に入手できる手法として、近年飛躍的に発展してきた。この講義では、不斉合成反応における種々の基本的な反応形式や応用例を紹介する。なお、秦(前半)が金属反応剤系、栗原(後半)が生体触媒及び有機触媒系の講義をおこなう。
有機合成反応の不斉合成について理解を深め、立体化学制御の概念を理解することを目的とする。
1.不斉合成の概要、不斉還元反応
2.不斉酸化反応
3.エノラートの不斉アルキル化
4.不斉アリル化反応
5.不斉アルドール反応
6.不斉Diels-Alder反応
7.最近の不斉合成反応の進捗
8.予備日(レポート作成日)
9.不斉合成の意義
10.酵素を用いた不斉合成Ⅰ
11.酵素を用いた不斉合成Ⅱ
12.抗体触媒と不斉合成
13.不斉有機触媒Ⅰ
14.不斉有機触媒Ⅱ
15.光学活性分子の活用
教科書は特にもうけないが、参考書として以下を参照すると望ましい。
・ 大学院講義有機化学II(野依良治ほか編)東京化学同人
・ 金属反応剤を用いる不斉化学合成(日本化学会編)学会出版センター
・ 進化を続ける有機触媒(丸岡啓二編)化学同人
履修の条件は特に設けないが、学部で学習した有機合成化学の内容を概ね理解していることが望ましい。
出席、レポート
thata@bio.titech.ac.jp
基本的に空いていればいつでもOKです。B2棟1127号室(准教授室)まで直接来て下さい。メールでアポを取って頂ければ確実につかまります。