あまりに複雑で、神秘的にさえ見える生命現象も、各素過程まで突き詰めると、各々は単純な物理化学現象で成り立っている。しかし、それらが複合的、かつ、融合的に作動したときには、複雑さの単なる増加という量的な変化のみならず、質的にも異質な“物理化学現象”を生じ、それこそが生命の本質である。この、生命の本質を理解するための、生命科学のための物理化学が生物物理学である。本講義では担当教員とのやりとりのなかで、聴講者が自身の研究に活かせる生物物理学に関する知識やノウハウを得て、新たな実験や研究を想起する機会となることを期待する。
聴講者が自身の研究に活かせる生物物理学に関する知識やノウハウを得て、新たな実験や研究を想起する機会となることを期待する。
[第1回] 林 本講義の説明
[第2回] 林 分子レベルでの生体高分子の解析の流れ(概説)
試料調製、構造解析、分子機能解析、網羅的発現解析、細胞内動態解析
[第3回] 林 受講生の修論研究対象の分子レベルでの解析に関する考察(1)
[第4回] 林 受講生の修論研究対象の分子レベルでの解析に関する考察(2)
[第5回] 有坂 生体分子間相互作用の解析の原理と実際(概説)
超遠心分析と静的光散乱による性状解析と相互作用解析の例
[第6回] 有坂 受講生の修論研究対象の分子レベルでの解析に関する考察(1)
[第7回] 有坂 受講生の修論研究対象の分子レベルでの解析に関する考察(2)
[第8回] 村上 原子レベルでの生体高分子構造解析の流れ(概説)
[第9回] 村上 原子レベルでの生体高分子構造解析論文の読み方
[第10回]村上 受講生の修論研究対象の原子レベルでの解析に関する考察
[第11回]長田 ケミカルセンス概論 (論文の割当)
[第12回]長田 匂い受容に関する論文をあらかじめ読んでもらって発表及び考察
[第13回]長田 フェロモン受容に関する論文をあらかじめ読んでもらって発表及び考察
[第14回]予備日
[第15回]予備日
特に無し
本講義では修論研究に関するディスカッションを含む場合があるので、学部学生の受講は奨めない。
期末試験は行わない。
受講者は研究者とみなします。受講者の研究に有意義となるような時間となるように、一方通行の講義ではなく、ディスカッションを重ねて当該分野の研鑽を磨いてもらいます。