ブレイン・サイエンス   Brain Science

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担当教員
一瀬 宏  松井 宏晃  高田 昌彦 
使用教室
木3-4  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
78034
シラバス更新日
2007年5月28日
講義資料更新日
2007年5月28日
アクセス指標
学期
前期

講義概要

精神や神経活動を統御する中枢としての脳を理解するためには,解剖学・電気生理学・生化学・分子生物学などの幅広い知識が必要になる。現在の科学で脳の理解がどこまで進んでいるか,それぞれの分野の最先端にいる研究者を講師に迎えて基礎からトピックまで幅広く講義する。

講義の目的

松井宏晃先生
 精神医学は人間の存在を、生物学的、心理学的、社会的、倫理的の各次元の階層的構造として捉えています。実際の精神障害(こころの悩み・病い)では、(1)高次脳機能の障害(神経生物学的特性)と(2)個人を取り巻く心理・社会的因子(環境要因)などが複雑に絡み合っており、「病む人間」として、人格を尊重しつつ、治療を進め、社会適応、社会復帰を目指すことになります。この点に留意しつつ、本講義では、代表的な精神障害について、その成因(原因)や治療法について、最近の神経生物学的研究の成果を交えながら紹介いたします。本講義を通して、精神障害への理解を深め、また有効な治療法や予防法の確立に繋がるような基礎研究に興味をもって頂けたら幸いです。
【重要】松井先生の講義のレポートは、6月7日(木)までに提出してください。レポートは、生命理工学研究科一瀬の学内ポスト(B-7)に入れるか、5月31日または6月7日の講義の際に一瀬に提出してください。

中原大一郎先生
 報酬と薬物依存の行動神経科学
動物では,餌,脳刺激および嗜癖薬物などの報酬を求めてレバーを繰り返し押す行動が観察される。このレバー押し行動に随伴する報酬によって正情動(快)を生じる脳の構造を脳内報酬系と呼んでいる。私は,脳内報酬系の作動の仕組みと嗜癖薬物によるneuroadaptation(神経適応)についてラットやマウスを用いて解析している。講義では,電気刺激と嗜癖薬物をそれぞれ報酬とする「脳内自己刺激行動」と「薬物自己投与行動」の両モデルを用いて得られた,報酬と薬物依存の脳内機構に関する知見を紹介する。

高田昌彦先生
 運動制御システムの構造と機能
本講義では、運動制御に重要な役割を担っている大脳皮質運動野、大脳基底核、小脳の構造と機能を最新の研究データを交えながら概説するとともに、代表的な大脳基底核であるパーキンソン病の病態生理と遺伝子治療を目指した最先端のアプローチを紹介する。

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