原子核工学の基礎科目としての原子核物理及び放射線物理を講義する。原子核の一般的性質,原子核構造,原子核反応,及び,重荷電粒子,電子,X線・ガンマ線等の電離放射線から物質へのエネルギー付与に重点を置いた,放射線と物質との相互作用に関して解説する。
原子核工学の基礎科目としての原子核物理及び放射線物理を講義する。前半は原子核物理の講義で、原子核の一般的性質、原子核構造、及び原子核反応について解説する。後半は放射線物理の講義で、α、β、γ線等の放射線と物質との相互作用の素過程、及びこれらの過程が放射線測定機器や放射線防護設備等において果たしている役割について解説する。
1. 核力と結合エネルギー
2. 核子及び原子核の性質
3. 原子核の構造Ⅰ
4. 原子核の構造Ⅱ
5. 原子核反応の種類と反応断面積
6. 原子核反応の複合核模型
7. 核分裂反応と核融合反応
8. 放射線の定義及びその巨視的作用
9. 重荷電粒子線と物質の相互作用Ⅰ(電子的阻止能,ベーテの阻止能公式)
10. 重荷電粒子線と物質の相互作用Ⅱ(飛程及びその実験式)
11. 電子線と物質の相互作用Ⅰ(衝突損失,制動放射)
12. 電子線と物質の相互作用Ⅱ(阻止能,飛程)
13. X線・ガンマ線と物質の相互作用Ⅰ(X線・ガンマ線の減弱,光電効果)
14. X線・ガンマ線と物質の相互作用Ⅱ(コンプトン効果,電子対生成)
15. 放射線の遮へい
教科書:なし
参考書等:
八木浩輔 著,「原子核物理学」(基礎物理科学シリーズ4),朝倉書店
柴田徳思 編,「放射線概論-第1種放射線試験受験用テキスト」,通商産業研究社
「原子核工学基盤実験」の「放射線計測実験」を効果的に履修するためには並行して履修することが望ましい.
前半:試験,後半:試験
学部時代に原子核及び放射線の講義を受けなかった原子核工学専攻の院生にとっては、必修の科目と思います。また、 大学院で新たに原子核・放射線の取扱いを始めようとする他専攻学生にとっても最適な講義です。