意匠・構造に関わらず建築の設計においては構造デザイン(構造計画)が重要である。構造デザインは、普遍的な構造技術を前提とするとともにそれぞれの建築の個別性にも対応し、要求される諸条件に対してバランスを考えることが必要であり、いわば普遍性と個別性を兼ね備えたものである。本講義では、構造計画の原理について述べるとともに、豊富な構造設計事例をそのプロセスを含めて紹介を行う。受講者は実践的な視点で構造デザインを考え、また、構造デザインの分析、立案の演習を行うことで実践的な習得を図る。
構造設計事例を基にして構造計画の原理について講義を行い、形態と力学の関係に着目し、構造材料の特性を考慮して構造計画を進める方法を理解することを目的とする。受講生が構造デザインの分析や構造計画立案の演習を行い、それらを的確にプレゼンテーションできることも目的とする。
1.建築デザインと構造デザインの関係
構造デザインの目指すもの、建築デザインとの関係
2.架構形態と力学の関係
架構の形態や部材構成と力の種類・力の流れの関係
鉛直荷重に対するデザインと水平荷重に対するデザイン
3.構造種別を生かす構造デザイン
各種の構造材料の特性と活用
4. ハイブリッド構造の可能性
ハイブリッド構造の意義や問題点を考える
5.地盤・基礎にかかわる構造デザイン
地盤の評価と基礎の計画
特殊な敷地に対する構造デザイン
6.耐震改修における構造デザイン
7.構造デザインにおける略算法
教科書 金箱温春:構造計画の原理と実践、建築技術、2010年
参考図書 渡辺邦夫、新谷眞人、金箱温春:VA/魅せる力学、建築画報社、2002年
特になし
授業出席および演習評価による。演習は課題を事前に与え、授業時間中に発表、討論を行う。