電気自動車や省エネルギーの視点から注目されているパワーデバイス(電力用半導体デバイス)は, 数百V〜数千Vの高耐圧と破壊限界を扱うので、メモリやCPUとはかなり異なる技術が必要であった.
本講義では, パワーデバイス開発における問題の発見, 解決の実例を出来るだけ示したい. デバイス動作については, 天下り的な説明でない簡明なモデルを用いる。
1. パワーデバイスの応用技術者を対象に, パワーデバイスの概要を紹介する.
2. 高耐圧, 大電流動作を可能としてる原理を明らかする.
3. pinダイオード, 接合形トランジスタ, IGBTの動作を前提なしに説明する.
01. パワーデバイスの紹介 (特徴, 歴史-水銀整流器からIGBTまで-)
02. 半導体の基礎情報, パワーデバイスの核心は何か!
03. パワーデバイスに共通する機能,技術 -I (オフ/オン, 電流制御)
04. パワーデバイスに共通する機能,技術 -II (安全動作領域, パッケージ)
05. パワーデバイスの構造と動作-I (ダイオード, サイリスタのON動作)
06. パワーデバイスの構造と動作-II (GTO, MOSFETのON/OFF動作)
07. パワーデバイスの構造と動作-IIIa (バイポーラ トランジスタの基本動作)
08. パワーデバイスの構造と動作-IIIb (バイポーラ トランジスタの破壊現象)
09. パワーデバイスの構造と動作-IV (ダイオードの降伏動作)
10. パワーデバイスの構造と動作-V (IGBTのON/OFF動作)
11. パワーデバイス固有の問題 (宇宙線破壊)
12. パワーデバイスの極限動作 (IGBT破壊, 高温, 低温, 耐圧, ON/OFF速度)
13. パワーデバイスの信頼性と課題 (新材料デバイス, ..)
14. モジュール構造の必然性と発展
15. パワーデバイスの最新動向と将来展望
全体資料と講義毎の資料を配布する.
(各回資料は講義後にOCW-iにもアップロードする)
特になし.
2回(中間, 期末)のレポートと講義内容に対する質問内容から評価する.
中間レポートは, 講義開始時に提示する課題資料の理解度を見る.
期末レポートは, パワーデバイスの理解度を見る. 課題は12月末に提示する.
パワーデバイス分野では、日本は早い時期より開発を先導してきた. パワーデバイス事業が成功した要因と今後の課題についても取り上げたい.
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受け売りの知識の習得でなく、自らから考えることを期待する。