プラズマ工学   Plasma Engineering

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担当教員
安岡 康一 
使用教室
月5-6(S323)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
54005
シラバス更新日
2012年10月1日
講義資料更新日
2012年9月21日
学期
後期

講義概要

電子とイオンから構成され,電気的に中性な電離気体であるプラズマは現代の工学において重要な役割を果たしている.プラズマを取り扱う理論と考え方は,電気電子工学の広い範囲にわたって共通なものが多い.
本講義ではプラズマ物理の基礎から,プラズマの発生,計測,応用など工学的側面まで,励起と電離,電磁界中における荷電粒子の運動,プラズマの粒子的取り扱い,プラズマの流体的取り扱い,衝突と輸送現象,プラズマの閉じ込め,プラズマ中の波動,プラズマ計測,プラズマの応用を学ぶ.

講義の目的

プラズマ物理の概念と考え方は,理工学のあらゆる分野における基礎の一つとなっている.とくに電気 電子工学の技術者・研究者においては,電磁気学と同様に必須な学問である.電磁界中の荷電粒子の運動,荷電粒子の集団としての物性,電離現象をはじめとして,工学の側面からプラズマの基礎と応用について学ぶ.

講義計画

01. プラズマと気体放電,気体の法則,速度分布,分布関数
02. 平均自由行程,電子と中性粒子の衝突,弾性衝突,ボルツマンの式
03. 非弾性衝突,励起,電離,光電離,熱電離
04. 移動度,拡散,再結合,付着
05. 電子温度,電離係数,γ係数
06. 暗流,コロナ放電,コロナ損失
07. 火花放電,パッシェンの法則,極小火花電圧
08. 不平等電界の放電,ストリーマ理論,ペニング効果
09. 放電遅れ,磁界中の放電,真空中の放電
10. グロー放電,両極性拡散,陽光柱,陽極効果
11. 陰極降下,陰極スパッタリング,探針計測
12. アーク放電,アークへの転移,低気圧アーク
13. 熱陰極アーク,高気圧アーク,アーク温度,アークの電圧電流
14. 高周波プラズマ,イオン補足,無電極放電
15. 大気圧放電プラズマとその応用

教科書・参考書等

八田吉典 『気体放電』 近代科学社
赤崎正則 『プラズマ工学の基礎』 産業図書
八坂保能 『放電プラズマ工学』 森北出版
『放電ハンドブック』 電気学会
資料配付

関連科目・履修の条件等

関連科目:放電・プラズマ技術の先端産業応用,パルスパワー工学

成績評価

演習と期末試験による.配分は,70%,30%.

担当教員の一言

放電プラズマの基礎過程を理解し,荷電粒子の運動または統計的手法によるプラズマ現象の把握を目指して欲しい.

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