パワーデバイス(電力用半導体デバイス)は, 電力を精密に制御するための必須デバイスである. 最近, 電気自動車を始めとするエネルギー制御を通じて省エネルギーの視点から注目されている.
本講義では, 今日のパワーエレクトロニクスの発展に至るまでの時々の問題点とその解決方策を具体的に説明する. デバイス動作については, 天下り的な説明でなく, 簡明なモデルを出来るだけ用いたい。
併せて, 信号処理用の半導体デバイスにはないパワーデバイス特有の物理現象やパワーデバイスの将来展望, 製品に不可欠な信頼性の課題, デバイスの高性能化に向けた最新の動向などを解説する.
パワーデバイス(電力用半導体デバイス)は, 数百V~数千Vの高耐圧と破壊限界を扱うので、IC等の半導体とはかなり異なる技術が必要であった. そのため, 独自の開発経緯を辿ったが, 日本は早い時期より開発を先導してきた.
本講義の第1の目的は, パワーデバイスの応用技術者を対象にパワーデバイスの全体像(特質と原理)を明らかすることにあるが, 我が国においてパワーデバイス事業が成功した要因と今後の課題についても考えたい.
01. パワーデバイスの紹介 (特徴, 歴史-水銀整流器からIGBTまで-)
02. 半導体の基礎情報, パワーデバイスの核心
03. パワーデバイスに共通する機能,技術 -I (オフ/オン, 電流制御)
04. パワーデバイスに共通する機能,技術 -II (安全動作領域, パッケージ)
05. パワーデバイスの構造と動作-I (ダイオード, サイリスタのON動作)
06. パワーデバイスの構造と動作-II (GTO, MOSFETのON/OFF動作)
07. パワーデバイスの構造と動作-IIIa (バイポーラ トランジスタの基本動作)
08. パワーデバイスの構造と動作-IIIb (バイポーラ トランジスタの破壊現象)
09. パワーデバイスの構造と動作-IV (ダイオードの降伏動作)
10. パワーデバイスの構造と動作-V (IGBTのON/OFF動作)
11. パワーデバイス固有の問題 (宇宙線誘起破壊)
12. モジュール構造の必然性と発展
13. パワーデバイスの極限動作 (IGBT破壊, 高温, 低温, 耐圧, ON/OFF速度)
14. パワーデバイスの信頼性と課題 (新材料デバイス, )
15. パワーデバイスの最新動向と将来展望
始めに全体資料を配付する. 各講義でも, 資料を適宜配布する.
特になし.
2回(中間, 期末)のレポートによって成績を評価する.
ほぼ全体資料にそった講義とする.
問題意識を持って聴講して欲しい。
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