電子とイオンから構成され,電気的に中性な電離気体であるプラズマは現代の工学において重要な役割を果たしている。プラズマを取り扱う理論と考え方は,電気電子工学の広い範囲にわたって共通なものが多い。本講義ではプラズマ物理の基礎から,プラズマの発生,計測,応用など工学的側面まで,励起と電離,電磁界中における荷電粒子の運動,プラズマの粒子的取り扱い,プラズマの流体的取り扱い,衝突と輸送現象,プラズマの閉じ込め,プラズマ中の波動,プラズマ計測,プラズマの応用を学ぶ。
プラズマ物理の概念と考え方は,理工学のあらゆる分野における基礎の一つとなっている。とくに電気 電子工学の技術者・研究者においては,電磁気学と同様に必須な学問である。電磁界中の荷電粒子の運動,荷電粒子の集団としての物性,電離現象をはじめとして,工学の側面からプラズマの基礎と応用について学ぶ。
01. プラズマとは,基礎事項
02. プラズマの発生と維持
03. プラズマを記述する方程式とプラズマの特性
04. プラズマ内の波動
05. 拡散プラズマ密度分布
06. 数値計算手法
07. プラズマの温度・密度推定と容量結合形プラズマ源
08. 誘導性結合プラズマ源
09. 電磁波を用いた高密度プラズマ源
10. スパッタリングと直流マグネトロン放電
11. プラズマ計測
12. 半導体プロセスへの応用
13. プラズマ光源としての応用
14. 核融合発電への応用
15. 大気圧放電とその応用
参考書:小越澄雄(2010)『プラズマ工学』 電気書院 等
関連科目:放電・プラズマ技術の先端産業応用(後期開講)
期末試験と演習による。
【オフィスアワー】
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