磁気浮上と磁気支持工学   Magnetic Levitation and Magnetic Suspension

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担当教員
千葉 明 
使用教室
火5-6(S323)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
50151
シラバス更新日
2010年10月6日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期

講義概要

21世紀初頭より磁気浮上,磁気支持システムが実用化しつつある.JR山梨リニア実験線,名古屋のリニモ,上海のマグレブなどの磁気浮上列車が走行しつつある.一方,半導体製造プロセスではベアリングレスモータポンプによる超純水移送,磁気軸受を伴ったターボ分子ポンプなどが実現している.

本講義では超伝導磁気浮上,高温超伝導,磁気浮上列車などの磁気浮上系と,磁気軸受,ベアリングレスモータなどの磁気支持系について学ぶ.

講義の目的

超伝導,高温超伝導,永久磁石,電磁石などの材料,磁気回路について学ぶ.
超電導磁石を用いた誘導反発磁気浮上方式,高温超伝導を用いた磁気浮上方式,反発型永久磁石磁気浮上方式,吸引型電磁石磁気浮上方式などの構成,原理を理解する.さらに,マグレブ等の列車,磁気軸受,ベアリングレスモータなどの原理,構成,特長を理解する.

講義計画

01. 概要
   この講義の教育内容,目標,成績評価方法・基準を説明
   講義担当のオフィスアワーを説明
   磁気浮上の歴史と各種方式について学ぶ

02. 電磁石吸引制御方式
   電磁石式、永久磁石併用型、永久磁石反発型

03. 超伝導誘導反発磁気浮上方式
   超電導コイルとコイル軌道方式の構成と原理

04. 超伝導誘導反発磁気浮上方式
   超電導コイル軌道敷の案内力発生原理、シート軌道方式

05. 高温超伝導方式
   高温超電導バルクの構成,マイスナー浮上,ピン止め浮上の原理

06. 磁気浮上の応用例
   リニモ,トランスラピッド,超伝導磁気浮上,スライダ,天秤,真空,薄板,制振,リニアモータ,常伝導反発方式,
   搬送システム

07. 中間試験1
08. 磁気回路の解析と磁気吸引力
   磁気等価回路と電磁吸引力

09. 永久磁石と磁気吸引力
   永久磁石の磁気回路解析

10. 磁気軸受
   径方向磁気軸受の構成、解析、原理、線形化、不平衡吸引力、ブロック線図

11. 中間試験2
12. コントローラとフィードバック
   磁気支持系の不安定性と、フィードバックコントローラの原理、設計

13. コントローラのパラメータ
   磁気支持系のコントローラのパラメータと応答

14. 外乱応答
   各種外乱とその応答、抑制方法

15. ベアリングレスモータ,磁気軸受の応用
   能動制御軸数と各種応用

期末試験

教科書・参考書等

参考書:電気学会磁気浮上応用技術調査専門委員会編「磁気浮上と磁気軸受」コロナ社
     Akira Chiba, Tadashi Fukao, Osamu Ichikawa, Masahide Oshima, Masatsugu Takemoto and David G. Dorrell,
     "Magnetic Bearings and Bearingless Drives", Newnes Elsevier, ISBN 0 7506 5727 8, 2005

関連科目・履修の条件等

電気機器学,パワーエレクトロニクス

成績評価

中間試験2回,期末試験1回,配分は1/3ずつ.

担当教員の一言

21世紀に実用化が進むと思われる磁気浮上,磁気支持の基礎を習得する.

オフィスアワー

予約制 email:chiba@ee.titech.ac.jp まで

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