パルスパワー工学は高電圧工学から発展したもので,高密度プラズマ,大出カレーザー,大強度荷電粒子ビームなどの発生を可能にし,近年では環境改善機器といった新たな産業応用を生み出している.
この急速に発展してきた大電力短パルスに関する工学について,基本原理を説明し,応用例についても講述する.
光・粒子ビームなどへの変換が容易なパルス電磁エネルギーについて,電磁気学と過渡回路解析の知識を土台に,エネルギー蓄積,パルスパワー発生回路,回路構成要素,計測・解析方式,産業応用例につき説明し,実例演習により,知識を定着させる.
01. パルスパワー工学の基礎,パルスパワー応用
02. エネルギー蓄積方式:容量性回路,誘導性回路,蓄積エネルギー比較,高電圧充電回路
03. 回路構成要素1:キャパシタ ,インダクタ,絶縁体,スイッチとエネルギー損失
04. 回路構成要素2:ギャップスイッチ,低気圧ガススイッチ,半導体スイッチ,磁気スイッチ
05. パルス発生回路1:容量移行型回路,パルス整形回路 (PFN)
06. パルス回路解析手法と微分方程式の数値計算法 (Scilab)
07. パルス発生回路2:磁気パルス圧縮回路の動作原理と最適設計
08. パルス発生回路2:マルクス回路,非線形容量線路,パルストランス等
09. パルス形成線路:ケーブル放電回路 (PFL),ブルームライン回路,インピーダンス変換線路
10. パルス絶縁:気体・真空・液体・固体の絶縁特性
11. 中間試験
12. パルスパワー計測1:電磁気的計測 (分圧器,ロゴスキーコイル)
13. パルスパワー計測2:シールドとノイズ除去,光学的計測 (電気光学・磁気光学効果)
14. パルスパワー計測3:パルスパワー回路の測定,製作ロゴスキーコイルの測定
※ 12~14回は竹内が担当
『パルスパワー工学の基礎と応用』 京都ハイパワーテクノロジー研究会編 近代科学社
原雅則・秋山秀典 『高電圧パルスパワー工学』 森北出版
八井浄・江偉華 『パルス電磁エネルギー工学』 電気学会
Paul W. Smith, ``Transient electronics -Pulsed Circuit Technology,'' Wiley.
G. A. Mesyats, ``Pulsed Power,'' Plenum Publishers.
電気磁気学,過渡回路解析
中間試験および演習課題 (4回) による.配分は,60%,40%.
計測回路も含めてパルスパワー装置内の電圧・電流波形を頭の中で描けることを目指す.
質問は随時受け付けるが,e-mail 等により在室を確認して訪問すること.