パルスパワー工学 Pulsed Power Technology

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担当教員: 安岡康一

使用教室: 金1-2(S323)

単位数: 講義：2 演習：0 実験：0

講義コード: 50112

シラバス更新日: 2009年9月29日

講義資料更新日: 2010年1月9日

アクセス指標

学期: 後期

講義概要

パルスパワー工学は高電圧工学から発展したもので，高密度プラズマ，大出カレーザー，大強度荷電粒子ビームなどの発生を可能にし，近年では環境改善機器といった新たな産業応用を生み出している。
この急速に発展してきた大電力短パルスに関する工学について，基本原理を説明し，応用例についても講述する。

講義の目的

ナノ秒オーダにエネルギーを集中させると，通常では得られない極限状態を容易に作ることができる。電磁気学と過渡回路解析の知識を土台に，本講義ではビームなどへの変換が容易なパルス電磁エネルギーについて，エネルギー蓄積，パルスパワー発生回路，回路構成要素，計測・解析方式，また産業応用例につき説明し，実例演習により，知識を定着させる。

講義計画

01. パルスパワー工学の基礎，エネルギー蓄積方式１：容量性蓄積回路
02. エネルギー蓄積方式２：誘導性蓄積回路，蓄積エネルギー比較，高電圧充電回路
03. 回路構成要素１：キャパシタ，インダクタ，絶縁体，スイッチとエネルギー損失
04. 回路構成要素２：ギャップスイッチ，半導体スイッチ，磁気スイッチ
05. パルス発生回路１：容量移行型回路，パルス整形回路（PFN）
06. パルス回路解析手法と微分方程式の数値計算法（Scilab）
07. パルス発生回路２：磁気パルス圧縮回路の動作原理と最適設計
08. パルス発生回路２：マルクス回路，非線形容量線路，パルストランス等
09. パルス形成線路：ケーブル放電回路（PFL)，ブルームライン回路，インピーダンス変換線路
10. パルスパワー計測１：電磁気的計測（分圧器，ロゴスキーコイル），シールドとノイズ除去
11. パルスパワー計測２：光学的計測（電気光学・磁気光学効果，干渉計測，測定素子）
12. パルスパワー計測３：マルクス回路の測定，製作ロゴスキーコイルの測定および見学
13. パルス絶縁：真空・気体・液体・固体の絶縁特性，パルスパワー応用１：パルスレーザ
14. パルスパワー応用２：大強度イオンビーム，誘導加速器，産業応用，環境改善応用

教科書・参考書等

『パルスパワー工学の基礎と応用』京都ハイパワーテクノロジー研究会編近代科学社
原雅則・秋山秀典『高電圧パルスパワー工学』森北出版
八井浄・江偉華『パルス電磁エネルギー工学』電気学会
Paul W. Smith, ``Transient electronics -Pulsed Circuit Technology,'' Wiley.
G. A. Mesyats, ``Pulsed Power,'' Plenum Publishers.

成績評価

課題演習（３回）および期末試験による。
配分は，５０％，５０％。

担当教員の一言

計測回路も含めてパルスパワー装置内の電圧・電流波形を頭の中で描けることを目指す。

その他

【オフィスアワー】
質問は随時受け付けるが，e-mail 等により在室を確認して訪問すること。