材料工学環境論   Materials Engineering and Ecology

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担当教員
岩堀 豊  國岡 正雄  石井 聡子  山本 佳世子 
使用教室
水5-6(S8-102)  
単位数
講義:1  演習:0  実験:0
講義コード
25016
シラバス更新日
2015年4月22日
講義資料更新日
2015年3月16日
学期
前期

講義概要

急速に発展する材料産業の現状と展望を提示するとともに,材料産業における環境・資源・エネルギー政策ならびに化学物質のリスク評価や安全性など社会全体との係わりを、下記の観点から講究する。
1. バイオプラスチック、⒉ 化学物質のリスク評価、3, 宇宙航空環境と複合材料、4. 科学コミュニケーションと技術コミュニケーション

講義の目的

科学技術の専門家となる学生に、環境・エネルギー問題と材料工学の接点における最新の話題に基付いて、基本的な考え方を習得したうえで、社会と良好な科学技術コミュニケーションをする力を身につけさせる。理解増進のための一般人、共同研究に向けた他分野の研究者、政策・研究助成機関・ビジネスの担当者、それぞれと連携可能な幅広い視野を持つことができるようになることを目指す。

講義計画

5/13 第1回化学物質リスク評価・管理学(1) 化学物質の適切な管理のために (石井)
化学物質の多くは人々に便益をもたらす目的で工業的に生産され使用されてきたが、当初予想されなかったリスクの可能性を有するものがあることが明らかになってきた。本講義では、化学物質リスクとその管理の全体像を解説する。

5/20第2回  化学物質リスク評価・管理学(2) 化学物質のリスク評価方法基礎(石井)
物質に固有な有害性の強さと、ヒトおよび環境中生物への暴露量との比較によって評価される、化学物質のリスク評価は、毒性、環境等の総合的な知識を必要とする研究分野である。本講義では、評価に必要な各論の概要を織り交ぜながら、化学物質リスク評価の方法について解説する。

6/3 第3回  バイオプラスチックとは?(国岡)
バイオマスプラスチック(生分解性プラスチックとバイオマス由来プラスチック)の概要を説明し、現在、世界で生産されているバイオプラスチックの動向を紹介する。また、バイオプラスチックが環境に優しい理由を理解する

6/17 第4回 宇宙航空材料における複合材料(岩堀)
我が国の航空宇宙産業に関する概説、及び航空宇宙用途としての材料として定着した複合材料(炭素繊維強化プラスチック)についての概要を講義する。また、航空機構造への適用例や製造方法、複合材の課題などについて概説する。

6/24 第5回 複合材料の評価方法基礎と宇宙環境(岩堀)
航空宇宙材料としての複合材料について、強度評価法の基礎について概説する。また、近年問題となっているスペースデブリに関する話題を提供する。

7/1  第6回 一般社会における科学コミュニケーション(山本)
東日本大震災をきっかけとした専門家・一般人の気づきから、将来の研究者となる受講生に科学技術コミュニケーションの基礎を伝える。マスメディアと記者の特性を押さえたうえで、科学技術記事の構成を学び、どのように読み取るか演習を行う。

7/8  第7回  研究者としての技術コミュニケーション(山本)
産業界と大学発ベンチャーの技術を通じたかかわりと、その中でも他分野と異なる化学分野の特性を調査研究から把握する。また、文章を通じて研究成果の魅力を伝える場合のポイントを学び、研究成果資料から要旨を書く演習を通して実践を試みる。

7/15 第8回 バイオプラスチックの評価方法基礎(国岡)
生分解性プラスチックや、バイオマスプラスチックは、一般に使われている汎用性の非生分解で、石油由来のプラスチックと簡単な方法では区別することができない。これらの判別法とそのISO標準規格化それらをもちいた認証システムについて説明する。

教科書・参考書等

「化学物質のリスク評価がわかる本」 丸善出版(2012年)
一般財団法人化学物質評価研究機構著
ISBN978-4-621-08608-7 3,360円(税込み)

「研究費が増やせるメディア活用術」
 山本佳世子著 丸善出版 1900円(税込みで1950円) 
 ISBN978-4-621-08538-7

関連科目・履修の条件等

特になし

成績評価

演習ならびにレポート

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