物質が示す性質や現象について,何が起っているか,なぜ起こるか,どのように起っているかを理解するために,その根源に立返って解明する方法論を講義する。
20世紀には様々な物質が発見され、さらに自然には存在しない物質が次々に生み出され、材料として使われてきた。それらの物質は近年、気象や生物など地球環境にゆっくりとかつ確実に影響を与え始めている。物質科学は、物質や材料の設計、製造、様々な分野への応用、そして環境への影響を分子や原子のレベルまで立ち至って解明する分野である。しかしこの定義は十分吟味されたものとは言えない。本講義では、物質の構造、物質の変換、物質の設計、物質の機能についてそれぞれの教員が物質科学とは何かを講義する。物質科学は新しい学問であり、今後徐々に構築されて行くであろう。物質科学とは何かを考えてみよう。特に、君達のやっている研究にこの新しい分野があると期待している。
講義予定
第01回 4月08日 柴田 修一 教 授 究極の「光閉じ込め」をめざして
第02回 4月15日 浅井 茂雄 准教授 二酸化炭素処理した結晶性高分子の高次構造と物性
第03回 4月22日 植草 秀裕 准教授 物質を測る-結晶中の分子構造-
第04回 5月06日 尾関 智二 准教授 結晶中での分子の整列と乱れ
第05回 5月13日 林 幸 准教授 酸化物及び金属融体の物性と構造
第06回 5月20日 小松 隆之 教 授 白金系金属間化合物の触媒特性
第07回 5月27日 藤本 善徳 教 授 ステロイド化合物を題材とした生物有機化学
第08回 6月03日 安藤 慎治 教 授 ポリイミド・ナノハイブリッド系光機能材料の開発と応用
第09回 6月10日 佐藤 満 准教授 高分子/水系におけるイオン効果-Hofmeister Seriesの解明に向けて-
第10回 6月17日 沖本 洋一 准教授 酸化物の示す新しい光励起状態
第11回 6月24日 腰原 伸也 教 授 光が生む出す新たな物質相-相転移の光制御-
第12回 7月01日 矢野 哲司 准教授 高温ラマン散乱測定とガラス融体の構造
第13回 7月08日 鈴木 榮一 准教授 触媒化学
第14回 7月15日 江口 正 教 授 生物を有機化学の言葉で語る
専攻で用意して配布する
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出席点(毎回の出欠票)と最終レポートによる。
平成22年度連絡教員:柴田 修一 教授 南7号館712号室(内線:2522)