希土類、アクチナイド元素を含む金属化合物では、4f、5f軌道を占める電子の強い局在性を反映して、極低温で重い電子状態や風変わりな磁性、超伝導状態が発現する。これらの現象が様々な実験手法からどのように明らかにされてきたか、また、基本的な事柄が理論的にどのように理解されているのかを学ぶ。特に、重い電子状態を導く基本的な多体電子相関である近藤効果について理解する。
希土類、アクチナイド元素を含む金属化合物では、4f、5f軌道を占める電子の強い局在性を反映して、極低温で重い電子状態や風変わりな磁性、超伝導状態が発現する。これらの現象が様々な実験手法からどのように明らかにされてきたか、また、基本的な事柄が理論的にどのように理解されているのかを学ぶ。特に、重い電子状態を導く基本的な多体電子相関である近藤効果について理解する。
概ね以下の流れにしたがって解説する。
1.f電子系、重い電子系の概観
2.f軌道内電子の基本的性質
3.近藤効果と重い電子状態
4.f電子系の磁性と超伝導
5.最近の話題(多極子相関、量子相転移、隠れた秩序等)
【参考書】:
重い電子系の物理 上田和夫・大貫惇睦著 裳華房
磁性 芳田 奎著 丸善
固体の電子論 斯波弘行著 丸善
金属電子論 近藤 淳 裳華房
学部レベルの量子力学、電磁気学、熱・統計物理学を履修していることが望ましいが、これらに通じていなくても専門分野に応じて選択できるようにレポート課題を設定する。
講義中に指定する課題に関するレポート