【前半-7月5日,6日】
半導体中で電子と正孔がクーロン力で結びついた準粒子である励起子は低温における半導
体の可視領域付近の光物性を主に支配している。半導体ナノ構造では励起子閉じ込め効果に
よって、より高温でも励起子のサイズ効果が織りなす種々の新規光物性が発見されている。本
講義では、ナノサイエンス・ナノテクノロジーにおける半導体ナノ粒子の励起子光物性の有用性
を序論で紹介すると共に、ナノ粒子の光物性基礎、光物性測定法、具体例としてのレーザー発
振と超蛍光現象、励起子を使った光加工・光操作の新展開、等に触れる。
【後半-7月21日】
半導体ナノ構造中では電子・正孔がお互いにクーロン力で束縛された準粒子(励起子)は波としての閉じ込め効果を受ける。可視光の光波長は励起子波の波長に比べて十分長いために、ナノ構造中では一定の電場が振動するという長波長近似が成り立つ。しかし、半導体薄膜の厚さが光波長と比較できるサブミクロン領域となると光波は空間的にうねり始め、長波長近似が成り立たなくなる。この領域で、光波と励起子波の特異なインタープレイによって、特定の膜厚で特定の励起子閉じ込め状態に対して超高速輻射緩和が実現することを紹介したい。
【前半-7月5日,6日】
第Ⅰ講 7月5日(火) 10:30-12:00 南6号館S636室
第Ⅱ講 同日 13:20-14:50 同上
第Ⅲ講 同日 15:00-16:30 同上
第Ⅳ講 7月6日(水) 10:00-11:30 南6号館S637室
◎ 第Ⅳ講はセミナー「励起子に魅せられて40年」として行う。
【後半-7月21日】
第Ⅴ講 7月21日(木) 10:30-12:00 南6号館S636室
第Ⅵ講 同日 13:20-14:50 同上
第Ⅶ講 同日 15:10-16:30 同上
◎ 第Ⅶ講はセミナー「半導体サブミクロン薄膜における光波と励起子波の特異なインタープレイ」として行う。