元来絶縁体材料として用いられてきた分子性物質は,電荷移動により,伝導性が付与され,半導体,低次元金属,分子性超伝導体へと発展してきた。分子を単位とするため,物質は多様で設計性をもち,かつその低次元性,強い電子間クーロン相互作用,強い電子-格子相互作用により,分子性物質は固体物性の宝庫といっても過言でない。当講義では,分子性(超)伝導体,および磁性体,誘電体の物質科学について概説する。
*有機伝導体の発展-半導体から超伝導まで
*分子性導体-結晶構造とバンド構造
*分子性導体-低次元物性および超伝導
*分子磁性体,誘電体