原子核の励起状態についてのスペクトロメータを用いた実験手法を中心据え、原子核構造についての研究と現状を紹介する。
原子核を記述する理論モデルを概観した後、巨大共鳴、ピグミー共鳴などの励起状態、励起状態と基底状態の性質を理解する鍵の1つである和則、原子核の密度分布、アルファークラスター構造について、実験研究にに重点を置いて説明する。
実例として恒星中の炭素合成過程、中性子星の性質と密接に関わる原子核の状態方程式の対称エネルギーの研究、などをトピックス的に紹介する。
原子核の基本的な概念とそれを実験によりどう解き明かしていくかということについて、スペクトロメータによる励起状態測定を実例として理解する。
1.概観
2.高分解能スペクトロメータによる実験
3.原子核を記述するモデル
4.原子核の励起状態の基本的な性質
5.巨大共鳴、ピグミー共鳴、和則
6.原子核の密度分布、中性子スキン
7.状態方程式、対称エネルギー、中性子星
8.アルファークラスター構造、恒星中の炭素合成
9.まとめ