ハドロン物理学   Hadron Physics

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担当教員
岡 眞 
使用教室
金5-6(H114)  
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
16008
シラバス更新日
2012年3月30日
講義資料更新日
2012年3月26日
学期
前期

講義概要

素粒子の標準理論を構成する4種類の相互作用の1つである強い相互作用に関わるハドロンのダイナミクスについて学ぶ。強い相互作用は量子色力学(QCD)と呼ばれるカラーSU(3)ゲージ対称性を持つゲージ場の理論で記述される。この講義では量子色力学の基礎から始めて、ハドロンのスペクトルと構造,QCDの非摂動的性質、ハドロン間相互作用、QCDの対称性、高温高密度QCD、真空の相図などを扱う。

講義の目的

量子色力学に基づくハドロン物理の基礎、実験的証拠、理論的手法、最近の発展などを包括的に学んで、強い相互作用の物理の理解の現状を知る。

講義計画

1.はじめに: ハドロンとは、ハドロン物理の課題
2.ハドロンの対称性: フレーヴァー、カラー、SU(3)、対称性の破れ、クォーク模型
3.標準理論とQCD(I): 標準理論、電磁場、Yang-Mills理論、量子色力学
4.標準理論とQCD(II):QCDの性質、漸近的自由性、カラーの閉じ込め
5.カイラル対称性(I): カイラル対称性の自発的破れ、低エネルギー有効理論、シグマ模型
6.カイラル対称性(II): NJL模型、カイラル対称性の回復(有限温度、密度)
7.QCDの非摂動的解法(I): ハドロンの相関関数、経路積分、格子QCD、ウィルソンループ
8.QCDの非摂動的解法(II):QCD和則、演算子積展開、クォーク・グルーオン凝縮
9.ハドロン分光: 最近の実験・理論的成果、エキゾティックハドロン、重クォーク対称性
10.QCDの相図: QGP、ポリヤコフループ、カイラル相転移、CEP、カラー超伝導
11.重イオン衝突と中性子星: 最近の実験・観測による発見、高温度高密度物質の理論
12.インスタントン: 量子力学の模型、インスタントン解、U(1)アノーマリー
13.高運動量移行反応: 深非弾性散乱、パートン分布関数、摂動論的QCD

教科書・参考書等

適宜資料、講義ノートを配布する

関連科目・履修の条件等

なし

成績評価

レポートによる

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