物理学の基本的な実験を典型的な測定器を用いて実際に行うことによりその方法を習得し、国際規格の測定器エレクトロニクス、安全基準等についての知識を確認して大学院での研究の基礎とする。実験は2人1組で他の研究室の学生と組んで行い、レポートを提出する。基礎物理学・物性物理学専攻所属の学生のみを対象とする。
基本的で重要な物理実験を自分で行い、その現象の背後にある物理法則を再考し、物理の原理を把握することを目的とする。
この科目は、基礎物理学専攻の実験系の学生は修士1年で必修である。基礎物理学専攻の理論系の学生、および物性物理学専攻の学生も履修することができる。
・原子からの特性X線と量子力学、
・NaIシンチレータによるガンマ線測定、
・ミューオンの寿命の測定、
をテーマとして実験を行う。
これらの実験を通して、水素・ヘリウム原子からの特性X線と量子力学による計算との比較、NaI結晶によるコンプトン散乱・光電吸収の断面積、宇宙線のフラックス、ミューオンから電子・ニュートリノ・反ニュートリノへの3体崩壊の運動学、ミューオン崩壊の弱い相互作用、フェルミ結合定数などを考察し、レポートにまとめる。実験は水曜日以外の日に行うこともある。
大学の学部学生実験のテキスト
なし
出席、レポート等による
比較的短期間でできる実験でも、その背後には物理の法則・原理があるので、すでに知っていることも再考して自分の物理像を築くのに活用してもらいたい