量子力学の最も重要な側面の1つは、それが理論のための理論ではなく、自然現象(観測結果)を説明するために構築されたものであるということである。原子核反応論もまた、同じ側面を持つ。この講義では、理論と実験データとの対応を重視しつつ、ラザフォードによる原子核の発見から不安定原子核の物理、さらには恒星内の元素合成反応に至るまで、ミクロの世界の様々な物理を、核反応論を駆使して探究していくことにしたい。
量子力学に基づく核反応論が、確かに現実の世界を記述することを示しながら、その意義と魅力を教授すること。
1.断面積とは何か?
2.ラザフォードによる原子核の“発見”
3.ラザフォード散乱の量子力学的記述
4.中性子の散乱断面積と原子核の密度
5.アイコナール模型による反応解析
6.反応断面積で探る不安定核の性質
7.チャネル結合法と光学ポテンシャル
8.チャネル結合法の応用(S17問題の解決)
特になし
特になし
出席に基づいて評価する。
ミクロの世界に興味を持ちつつも、量子力学の曖昧なイメージを払拭できない学生に是非聴講してもらいたいと考えています。