射影代数多様体上の特殊計量の存在は、Yau による Calabi 予想の解決に始まる。与えられたc_1(X) に属する任意の実 (1,1) 形式に対して、それをリッチ形式にもつケーラー形式が存在する。これが Calabi-Yau による基本定理であり、これに付随する不動点の存在や、特異摂動問題が、基本定理に続く研究課題であり、これらは互いに深く関連している。
本講義では、このうちの特異摂動問題に焦点をあてて、いくつかの極限定理や、その代数幾何への応用について論じたい。
射影代数多様体上の特殊計量の存在は、Yau による Calabi 予想の解決に始まる。与えられたc_1(X) に属する任意の実 (1,1) 形式に対して、それをリッチ形式にもつケーラー形式が存在する。これが Calabi-Yau による基本定理であり、これに付随する不動点の存在や、特異摂動問題が、基本定理に続く研究課題であり、これらは互いに深く関連している。
本講義では、このうちの特異摂動問題に焦点をあてて、いくつかの極限定理や、その代数幾何への応用について論じたい。
第1部. Calabi-Yau の定理とその特異摂動について
第2部. Fano 多様体に次数の低い非特異因子で特異摂動をかけた場合の幾何
第3部. 同、解析
第4部. 特異摂動の代数幾何への応用について
第3部には、かなりハードで長い解析の議論が出てきます。
ケーラー幾何については S. S. Chern, "Complex Manifolds without Potential Theory" を参考にしてください。
予備備知識は、学部の幾何と解析で十分だと思います。上記参考書のうち、射影空間のケーラー幾何とトポロジーを知っていれば、本講義は直観的に理解しやすいと思います。
レポート。