数学特別講義F第二   Special Lectures on Mathematics F II

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担当教員
辻井 正人 
使用教室
集中講義等   
単位数
講義:2  演習:0  実験:0
講義コード
11522
シラバス更新日
2010年11月4日
講義資料更新日
2010年9月20日
学期
後期

講義概要

負曲率多様体上の測地流を典型例として,カオス的力学系のエルゴード理論を講義する.特に,転移作用素のスペクトルと力学的ゼータ関数について最近の結果を解説する.

講義の目的

測地流はリーマン多様体上の自由粒子の運動を記述する流れであるが,特に負曲率多様体上の測地流はカオス的な流れの代表的な例として,1930年代のE.Hopfの研究以来よく研究されて来た.
この講義の前半では負曲率多様体上の測地流を題材に,エルゴード理論への入門的な講義を行う.
後半はより現代的な話題として,力学系のゼータ関数や転移作用素のスペクトルの解析についての話題を取り扱う.
具体的には以下の計画の内容から取捨選択して講義を行う.

講義計画

1.測地流の定義と双曲性
2.測地流のエルゴード性と混合性
3.転移作用素の擬コンパクト性と相関の指数的減衰
4.力学系のゼータ関数
5.量子カオスの諸問題との関係

教科書・参考書等

教科書は特にない.参考文献は講義中に与える.

関連科目・履修の条件等

力学系,リーマン幾何学,確率論(測度論),関数解析についての初歩的な知識があるとわかりやすいと思うが,特に必要ではない.

成績評価

レポート(具体的には講義中に指示する)と講義中の質問

担当教員の一言

わからないことは遠慮なく質問をして欲しい.

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