共形場理論を頂点作用素代数とその表現論に基づいて展開する。特に、自由場表示と遮へい作用素による構成について重点的に講義を行う。
近年log 共形場理論と呼ばれる共形場理論が超弦理論や物理理論で注目をあびている。この講義では、log 共形場理論に関する基礎づけに関する講義担当者の最近の結果を講義する。
内容は、共形場理論の最も基本的な概念である作用素の局所性や作用素展開から始まり、その代数的表現である頂点作用素代数についてまず講義する。最終目的は、$C_2$-有限性条件をみたす頂点作用素代数に付随して定義される一般リーマン面上の共形ブロックの構成とそのリーマン面上の moduli 空間の境界に沿っての因子化定理である。
(1) 肩ならし。Virasoro 代数の自由場表示と Screening 作用素
(2) $C_2$-有限性条件をみたす頂点作用素代数とその表現
(3) $C_2$-有限性条件に付随する一般リーマン面上の共形場理論
(a) N 点つき genus g 安定曲線の moduli 空間
(b) 共形ブロックとその有限性
(c) K.Z. 方程式
(d) Moduli 空間の境界に沿っての因子化定理
参考書
(1) 山田泰彦著, 共形場理論入門, 培風館
(2) Edward Frenkel and David Ben-Zvi, Vertex Algebras and Algebraic
Curves, American Mathematical Society
出席とレポートによる